島田先生と、上の世代の仕事観。
島田先生は、僕の高校時代の恩師です。
長きにわたり、教師として働いておられます。
働くとはどういうことなのか?
世代によって、仕事観は変わるのか?
お話を聴いてきました。
第8回:求めている方向が間違っている。
島田 |
転職が増えたというのは 個人の責任を超えたところで、 日本の経済構造そのものが変わってきた ということも重要で、 年功序列が崩れて、成果主義になってきた。 そんなことになっていれば、 転職をして、 より給料のいい方にいくというのは 当たり前のことだよね。 だから、必ずしも個人が変わったという 側面からだけでは、見られない。 格差にしても、 良いものと、悪いものがあると思う。 平等ということだって 悪平等ということがあって、 多数決なんかはその典型なんだけれど、 本来は個人の資質に合わせなければ いけないところを、 いっしょくたにしてきた。 だから、どんなに能力がなくても 一律の給料でやってきていた。 |
矢透 |
極端なことを言えば、今まで 努力をしなかったり、 能力を身につけなくても しがみついてやってこられたのが、 いきなり、何かがないと やっていけない社会になって、 放り出された人たちというのも いると思うのです。 だけれど、そういう人たちに対して、 個人の努力が足りない、 という論調で括るのは、また少し ちがうんじゃないか、という気もするんです。 |
島田 |
昔だったら、それこそ 学校を出たら職に就くものだったんだよ。 それこそ、ベルトコンベアのように、 小学校からずっと流れに乗ってきて、 学校を卒業したらそのまま職に就く。 ベルトコンベアを降りるという選択肢がないまま 勤めていた、そういうことなんじゃないかな。 ただ、今は 良くも悪くも選択肢ができてしまって、 選択肢が増えたということは一つの 繁栄の達成だけれど、 それで良くないことも起きてしまった。 だけど、 もういちどベルトコンベアに戻せばいいかというと そういうことじゃないし、 今から見れば、ベルトコンベアが良かったかというと それが絶対に良いともいえない。 |
矢透 |
何が良くて、何が悪いのか、 っていうのがわからなくなってきてますよね。 |
島田 |
それは確かにわからないんだけど、 一つだけ言えるのは、求めている方向が 間違っているよね。 「楽をしよう」 という方向は間違っていると思うよ。 我々は 「ガマンする」 ということを憶えなくちゃいけない。 と、そういうことを俺は、20年くらい前から 言っているような気がする。 |
矢透 |
でも・・・難しいですね。 我慢というのは意識してできるものじゃなくって、 そうせざるを得ない状況になって、 初めてできるものなんじゃないでしょうか。 |
島田 |
うん・・・それはそうかもしれないね。 |
矢透 |
今日は本当にどうも、ありがとうございました。 |
島田 |
こちらこそ。 |
これで、島田先生へのインタビューは終了です!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!