島田先生と、上の世代の仕事観。
島田先生は、僕の高校時代の恩師です。
長きにわたり、教師として働いておられます。
働くとはどういうことなのか?
世代によって、仕事観は変わるのか?
お話を聴いてきました。
第6回:何が劣化したかというと
島田 |
香山リカの 『日本人はなぜ劣化したか』 という本を読んだんだ。 自分の職場で、30、40代の医者が、 仕事中に恥ずかしげもなく 会社四季報を読んでいる。 つまり 自分のお金を株式で投資にまわして 利殖にふけっている。 そういう光景を最近目にするようになった、 と書かれている。 社会貢献をして、その結果、お金が儲かった。 というのが昔の常識的な財界人だとすると、 今は金のために手段を選ばなくなっている。 何が劣化したかというと、品性が劣化したんだね。 そういう劣化現象は、世界中で起こっている。 |
矢透 |
先生は、中沢新一という人の 『三位一体モデル』 という本をご存知ですか。 |
島田 |
新聞の書評で読んだかもしれないな。 |
矢透 |
キリスト教的な、父、子、精霊の 三位一体のモデルを使って、 現在はどういう時代なのか、 というのを考えている本なんですが、 現在は 『価値』だけが暴走していて、 規範となるモラルがそれを抑えられていない、 と説明しているんです。 僕は経済にはあまり詳しくないんですが、 何だか、ライブドアだとか、 そういうニュースを見ていると 「ここまでは守ろうよね」 という暗黙の道徳というか、 そういうタガが外されて、 「それはできるけど・・・ないでしょ」 ということをやっちゃってる感じがします。 |
島田 |
例えば仕事をやめるにしても、 辞めるに辞められない環境だって あるわけだろう。 職場の中で築いた人間関係であったり・・・ それは 儲かるとか、儲からないとかいう 問題ではないだろう? そういう関係が希薄になっているから、 平気で辞められる、 というのもあるんじゃないの? |
矢透 |
そうですね、前の会社でも 自分が抜けると周りの人に負担がかかるので、 やめられない、 という人もいました。 |
次回
第7回:仕事をするってことは、人との共同作業なんだ
につづきます!