伊田さんと 「研究者」 について。
伊田さんは、進路を選ぶにあたって、就職ではなく
学問をつづける道を選択しました。
いわゆる 「社会人」 と、学問を志した人では
社会との関わりかたはどう異なるのでしょうか?
第1回:学問をこころざす人の進む道
矢透 |
今まで、このコンテンツで 話を聞いていてきた人は 「仕事」というものを通して 社会にコミットしている人たちでした。 ただ、僕の周りには、いわゆる 「社会人」 という人たちだけでなく アカデミズムの世界にいる人たちも たくさんいるわけなんですね。 アカデミックな世界にいる人たちの 社会へのコミットの仕方というのは、 労働力を提供するものとは 違いますよね? それは一体どういう関わり方なのか 見当もつかなかったので 聞いてみようと思ったわけなんです。 |
伊田 |
でも僕はまだ働いたことがないから、 何を話せばいいんだろう・・・。 僕は博士後期課程二年目になりますが、 非常勤講師などの職を得ているわけでは なくて、まだ研究しかしていません。 だから今日話す内容は、 いずれ研究者として仕事を得たときと、 今の現状の、二つの話になると思います。 |
矢透 |
はい。よろしくお願いします。 で、さっそく基本的な話なんですが 学問をつづけようとした場合、 大学は通常4年で卒業しますよね。 その後の進み方って・・・ |
伊田 |
自分の学校の場合なんだけど 大学四年生の、9月と2月に試験があります。 その試験に合格して無事大学を卒業すると、 4月から 「修士課程(博士前期課程)」に進みます。 5年以内に修士論文を書いて、 修士号をとって さらに試験に受かると 今度は 「ドクターコース(博士後期課程)」 に進みます。 最大限、可能な限り引き伸ばして、 8年間在籍できます。 そのあいだに博士号をとって、 卒業していく、と。 |
矢透 |
例えば、8年いても 博士号を取れないという人は・・・ |
伊田 |
もちろんいますよ。 |
矢透 |
そういう人は、そのあと どうなっちゃうんですか? |
伊田 |
研究をあきらめる人もいます。 まあ、多くの人は何かで食いつなぎながら、 研究をつづけてます。 僕は今2年目だから、 あと6年、余裕があることになります。 でも6年もかけていたら 32歳になってしまうわけで、 もうちょっと早めに博士号を とりたいなあと思っているけど、 それはこれからの努力次第ですね。 |
次回
第2回:研究者は何を目指す?
につづきます!