裁判傍聴に行くの巻

第1回:僕が裁判傍聴に行くまで

初の裁判傍聴である。

いよいよ始まろうとしている
裁判員制度に備えて、一度でいいから
生で裁判を見ておきたいと思った。

2008年現在、国民に許されている
主な司法参加が、裁判の傍聴だ。

裁判員制度が始まっても、みんなが裁判に
参加できるわけではないから、
裁判の傍聴はこれからも、
重要な司法参加の方法であり続けるだろう。

なーんてカッコいいことを言っているが
裁判の傍聴について興味がわいてきたのは、

『裁判長、ここは懲役四年でどうすか!?』

という本を読んだからである。

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

裁判ってものは、真面目で堅くて・・・
と考えていた僕に、この本は大きな衝撃だった。

裁判で次々と明らかになっていく被告の人生。

反省します、と言っているそばから、
ドクロの入ったシャツを着ているやつ。
泣きまねの異様にうまいやつ。

裁判所というのは思った以上に
面白い場所なんじゃないの!?


がぜん裁判に興味がわき始めたとき
あるイベントに参加した。

裁判官、検察官、弁護士といった人たちが
集まったトークショーだった。

「お堅い人たち」
といったイメージの法律家たち。

しかし!
人間くさい発言の連発。仕事にかける熱意。

当たり前だけど、法律家だって人間だ!
と再認識し、大いに興奮したものだった。

そこでも話されたのが

「裁判員制度が始まる前に、ぜひいちど
裁判を傍聴してみてください」


ということだった。

いったい、裁判ってどんなものなんだ!?
もうこうなれば、裁判所に行くしかない!

僕はそう決心し、そして
めったに取らない有給休暇を取得した。

(つづく)