裁判傍聴に行くの巻

第8回:容赦なく罪が暴かれる

検察からの質問

検察官
「仕事のストレスからこういうことを
してしまったというけれども、
どうしてストレスが痴漢につながるのですか?
・・・
同じ女性に対して複数回にわたって
痴漢行為をしていますが
はじめからね、痴漢をするつもりで
電車に乗ったことがあるんじゃないですか?」

検察官の舌鋒はやはり厳しい。
いくら反省しているとはいっても、
痴漢は犯罪だ。
被害者の心の傷だってはかりしれないだろう。
だから、検察官は厳しくせめていく。

裁判とは、被告人側の弁護士と
罪を追求する検察官との
「罪の見方のバランス」
なのかもしれない。

罪を責めることと、情状酌量と
どちらかだけに偏ってはいけない。
難しいところだけれど・・・

検察官
「なぜ、被害者が自分に好意を持っている、
などと思ったのですか?」

検察官は、容赦なく、被告人の身勝手な
欲望行為を暴いていく。

被告人は、被害者が痴漢をされても
抵抗しなかったことから、

「これは、自分に好意を持っているのだろう」

と勝手な思い込みを抱くに至り、
痴漢行為をどんどんエスカレートさせて
いったのである。

ああ、奥さんはどんな気持ちでいるのだろうか。
生まれたばかりの長男は、将来お父さんの前科を
知るに至るのだろうか?

他人事ながら、心配せずにはいられない・・・。

(つづく)