裁判傍聴に行くの巻

第7回:ついに被告が口を開く

つづいて、被告人への質問。
ついに、渦中の男が口を開いた。

弁護士
「どうしてこんなことを
してしまったのですか」

被告
「仕事のストレスから、自分の心が
コントロールできなくなってしまったのです」

弁護士
「もし、奥さんや自分の子供が
同じようなことをされたら、どう思いますか」

被告
「許せないと思います・・・」

終止、神妙な面持ちでうつむく被告人。

うーん、やはり目の前に人がいる、
というのは圧倒的だなあ。

情報としての「痴漢事件」と
目の前に、実際の人がいる、というのは
ものすっっっっっっごい違いが、ある。

「困ったなあ」という顔をして
神妙な顔つきをして、しかも
健気な奥さんがいるとなれば、
どうしたって、目の前の人を断罪する、
というような気持ちにはなれない。

人間っていうのは、フクザツなものだ。


弁護士とのやり取りの中で、

●すでに、被害者側とは160万円で
示談が成立していること

●事件の後で被告は、
ストレスの原因となった仕事を辞めて
自宅で仕事をしていること

●家も引っ越して、
被害者が乗っていた電車には
乗らないようにしていること

などが明らかになった。

弁護士の戦術は、素人の僕が見るに
おそらく、被告人が十二分に反省している
ということを示すことだ。

つづいて、検察からの質問が始まった。

(つづく)