裁判傍聴に行くの巻

第3回:裁判はまだ始まらない(2)

いよいよ
東京地裁の門をくぐるときがやってきた。

裁判所の前では、シュプレヒコール(?)
をやっていたり、おじさんが座り込みを
していたり、ものものしい雰囲気だった。

しかも、この日は相撲協会が提訴された
大きな裁判のある日だったようで
マスコミの人たちもたくさんいる。

「俺がノコノコと入っちゃっていいの?」
という雰囲気である。
(俺、私服だよ!?ノンポリだよー!?)

ビビりながら、裁判所の異様に大きな
入り口に入って驚いた。

空港でチェックインするときに通る
エックス線の手荷物検査機械と
金属探知ゲート
があったのだ!

わ、わ、わ!
実際に見るとビビる。

裁判は撮影・録音禁止なので、当然カメラ
などは持ち込み禁止である。
もし持っていれば、あずけなくてはいけない。
携帯電話は、とうぜん電源オフだ!!

・・・

無事、裁判所の中に入り、目的のものを探す。
その日行われる裁判の一覧が書かれた紙だ。

ロビーを少し進むと、目的のものを見つけた。
すでに、ベテラン傍聴人と思われる人たちが
慣れた手つきでめくっている。

僕は緊張しながら、その脇に立って、
一覧の中から「初公判」の文字を追う。

あーあ、はじめてというのは
緊張するものだなあ。
「あいつ、初心者だぜー!」
と笑われるかもしれないと思うと、
冷や汗が出てくる。(小心者・・・)

探すこと五分。

あった!
し、しかも痴漢事件じゃないか。

下世話だが、痴漢事件とは面白そうだ・・・。
よし、これを傍聴してみよう。

(つづく)