ツールを使いこなすと本当に生産性は上がるのか?
こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。
ExcelやPowerPointなどのソフトウェアから、Gmailやグーグルカレンダーなどの仕事に欠かせないWebサービス群、GTDなどのタスク管理術に至るまで、世の中には「ツール」と呼ばれるものが溢れかえっています。
しかし私たちは、「ツール」を使いこなしているでしょうか。
いや、そもそも、なぜ「使いこなさなければいけないのか?」を忘れてはいないでしょうか。
当たり前のことですが、「ツール」はそれ自体が目的ではなく手段です。ツールには、それを使って達成すべき目的があります。どんなツールにも言えることです。ですから、あのインターフェースに泣かされようとも人はExcelを使いますし、頑張ってGmailの効率的な使い方を身につけようとするのです。
残念な意見になりますが、私は最近のIT系のツール(ざっくりくくってOfficeやWebサービス、クラウド系のサービス、スマートフォンアプリまで)は使い方が複雑すぎると思います。たとえインターフェースは難しくなくても、それをどう使うか、というハック的な領域まで広げると、とてもじゃないけれど使いこなせる気がしません。
例えば、GmailをGTDのプロセスの一環として使う、という使い方があります。一通一通のメールをいかに効率的にさばくか、という複雑なシステム・・・考えを理解し、自分なりにそれを構築するプロセスは充実しているでしょう。楽しいと感じさえするでしょう。
けれど、本当はその先に達成すべき目的があるはずです。有り体に言えば「生産性の向上」という目的があるはずです。それなのに、私たちは複雑なツールを前に、使いこなそうとする段階で、力尽きてしまうか、横道にそれたまま戻って来られない事案が多数だと思われるのです。
ツールが複雑であるがゆえに、「習熟する」ということ自体が、直近の目的として設定されてしまいがちだと思うのです。しかも人は「ツール」それ自体に魅了される生き物ですから・・・
思えばぶっそうな話ですが、銃や戦闘機など軍事兵器もまた「ツール」であり、それを本来の目的のためでなくても、道具自体を愛好する人はたくさんいます。
果たして、ツールに習熟したその先に、本当に生産性アップが待っているのかどうか?
私はツールを使いこなすことに血眼になっている場合ではなく、そのことをこそ確かめなければいけないのです。
Excelのショートカットをいくら覚えたところで、残業が減らなければ何の意味があるのでしょう。