無理ゲー化する未来

こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。

今回のエントリーは、さながら「ディストピアもの」です。ユーウツな世界です。来てほしくない未来。しかしそれは確実に来ます。どうする!?覚悟はいいか!




Alone In This Dystopia / Cyril-Rana!!

ディストピアが来る!

一昨年「ワークシフト」という本がベストセラーになりました。そこには望ましからざる未来が描かれていました。

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
リンダ・グラットン
プレジデント社
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一部の人々を除いて、人々は孤独になり、仕事では分単位の忙しさに追いまくられ、かと思うと、世界中の人件費コスト競争に負けて仕事が得られず貧困にあえぎ、ひっそりと死んでいく未来。

そんな未来を避けたければ、複数の分野で突出したスキルを身につけなさい。漫然と過ごしていると、あなたも望ましからざる未来を迎えることになりますよ・・・と、この本は優しく諭してくれます。

言うよね〜。

私の恐れ

私は、自分の将来について、以下の様な不安に押しつぶされそうになっています。

  • 近いうちに、私のしている仕事は競争性を失う。一気にパイは縮小し、一部の超プレイヤーを除いて、食えなくなる。もちろん私は食えなくなり、餓死。

  • 近いうちに私は「だれでもできる単純労働/競争相手は機械」の仕事にしか従事できないようになる。ドレイのように働かなくてはならず、四十を過ぎると自動的に捨てられて、餓死。

  • ある日ふと病気にかかって死ぬ。

はい。ゲームオーバー。

ちょっと大げさに書いていますが、これは妄想ではないと思います。このままの現在を過ごしていた場合、それは確実に来る未来であり、どんな努力で避けられるのかが今のところ確実にはわかっておらず、他の誰でもなく私自身にやってくる未来だと認識しています。

その未来を受け入れるのか?拒否するのか?と問われれば、もちろん「拒否」に決まっています。しかし、その道のりはすごく厳しい!キビシ〜ッ!

イノベーションは世界を焼きつくす

技術がもたらすイノベーションは、私たちの価値観をすっかり変えてしまう素晴らしいものである反面、現実というゲームのプレイヤーの数を減らすものとしても作用します。

佐々木俊尚さん著書「レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)
」にて喝破されていた通り、ITによるイノベーションは、「価値観を大きく変えるが、新しい雇用を産まない」。

世界を牛耳らんとする企業(アップル、Googleをみよ)の従業員は、せいぜいが数千人程度。それに対して、技術革新で時代遅れとなった旧時代の技術に従事し、職を失う人は、数億人をくだらないでしょう。

現実はどんどん無理ゲー化していく

このようにして、現実はどんどん無理ゲーに近づいてきています。技術は高度化し、パイは小さくなります。するとどうなるか。
ゲームに参加する、つまり、仮にやりがいのある仕事に就きたいと思うなら、「超一流プレイヤー」でなくてはいけなくなります。

私のいるWebの世界でもそれは起きています。

例えば、フルスタックエンジニア以外、エンジニアという職業は必要とされなくなるだろう、という予測があります。フルスタックエンジニアとは、プログラムも書け、情報設計ができ、サーバにも通じ、マーケティングにおいてはグロースハックを行い、デザインにも精通し、もちろんプロジェクトの旗振りもできる、という伝説の巨人です。

また、マーケティングという分野でも、技術の革新でその仕事の内容が様変わりしていきます。マーケティングはアドテクノロジー、そしてデータ分析という技術分野と近接していきます。これからはデータを分析し、新たな価値を作り出せる人のみが生き残ります。今まで広告代理店が行っていたような仕事は、だんだんなくなります。そして、マーケティングの世界で動くプレイヤーは、少数だけで事足りてしまうでしょう。

超一流プレイヤーであること。これからは、それが単なる「ゲーム参加の一条件」になります。ゲームに参加できればまだマシ、ゲームに参加してもすぐ死ぬ層がわんさか出てきます。まさしくデス・レース2000年になるでしょう。

私は、君は、どうするのか?

ここで取れる選択肢は3つです。

1.ゲームに参加し、少しでも長くプレイすることを目指す

そのために必要なのは、前述の「ワークシフト」にも書かれていたとおり、複数の分野にまたがった突出したスキルです。一つの分野だけでは、イノベーションによりその分野が焼きつくされたらジエンドだからです。

そのためには勉強すること。それに自分だけの強みを見つけ、磨き、スキルにアドオンしていくことです。

2.ゲームには参加しない

「私たちは生涯、働かないかもしれない」という岡田斗司夫さんの2011年の講演の動画を貼っておきます。

キーワードは「愛されニート」、「単職から多職へ」です。示唆に富む講演ですが、いま働いている人がすぐに実践にうつせるものではありません。

高止まりする無理ゲーのプレイヤーであることから下りて、生き延びるために必要なのは「キャラクター」と「コンテンツ」、そして「コミュニティ」だそうです。

未来はおそらくこの方向に行くのが良さそう・・・と思える内容です。

3.潔く死ぬ

で、いろいろ考えた結果、私としては、この「3.」がかなり現実的な選択肢としてあり得るのではないか・・・と恐れています。

しかし、家族もいる手前、自分だけが勝手に死ぬわけにいきません。

ですから、何とか「1」と「2」のあいだを試行錯誤しながらもがくしかないわけです。

・・・こうなりゃ行くところまで行ったろうじゃないか、ダメになりゃしかたがないぜ。とヤケクソ気味に今日もクソして寝る日々であるわけです。

-世界の片隅から(よもやま話)