自己改造としての「タスク管理」
ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。今回は「思考のガジェット」シリーズです。最近、私は「タスク管理」について学んでおりますが、タスク管理の本質とは何か?について考察します。
タスクセラピーに参加してきた話
去る9月22日、「第5回タスクセラピー」に参加してきました。
タスクセラピーとは、「ライフハック心理学」を研究している佐々木正悟さんが主催する勉強会です。佐々木さんを始めとして「タスク管理」の達人たちの講義に加え、「タスク管理」についての疑問を直接コーチに聞くことができます。
レポートはコーチとしても参加されていた @jmatsuzaki さんのブログを参照していただきましょう。素晴らしくまとめられています。
私のテーブルはヨシナさん(@447life)さんによる「悩めるビジネスマン島」。「仕事が多く、なかなか予定通りに終わらない」などの悩みを相談させてもらいました。
最後には、ヨシナさんの著書「ダンドリ上手になる技術」をじゃんけん大会で勝ち取りました!様々なタスク管理の技術が載っていて読み応えがあります。スマートフォンや手帳などを使って、GTDを実践するための入門書でもあります。
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初めてのタスクセラピーは、私にとって勉強になることばかりでした。
タスク管理に目覚めた理由
前述のとおり、最近の私はタスク管理を学んでおります。
その理由は、忙しさのあまりに気が狂いそうになったからです。大量のタスク、次から次へとやってくる締切。突然入ってくる割り込みタスク。それでも動かせない納期・・・。
私の頭はパニックを起こし、動機が激しくなり、いま何をやるべきか?を正しく判断できなくなっていました。とりあえず目についたタスクに手を付けたり、ひとつの作業を始めても、すぐに別の作業に目移りしてしまったり・・・私の頭はどうかしていると思いました。
「これは、自分の集中力がないせいだ」
と私は思い至り、集中力をアップする方法を探し求めたのです。
問題は集中力"アップ"でなかった
ところが、集中力を高める方法について学んでいると、共通して書いていることがありました。それは
- 人間の集中力は長い時間は持続しない
- したがって、短時間でできる大きさにタスクを分解しなくてはいけない
ということでした。なるほど。人間の集中力はもともと長く続くものではなかったのです。自分の頭が特別悪いわけではなかった。人間の集中力そのものに限界があるのですから、それを前提に、
「いかに自分の頭に負担をかけずに効率的にタスクをさばくか」
を追求すべきだと思いました。さらに調べていくと、その方法論がどうやら「タスク管理」と呼ばれる、一大分野なのだと知りました。「気が狂いそうになるような恐ろしい経験は二度としたくない・・・」そんな気持ちを胸に、私はタスク管理について学び始めたのです。
タスク管理とは「自己改造」だ
「タスク管理」は、単なるTODOリストを作ることが目的ではありません。「次の瞬間に何をすべきか」をいちいち考えずに済むようなシステムを構築することが目的です。
タスク管理システムが機能すると、「次に何をするべきか?」ということをいちいち立ち止まって考えずに済むようになります。さらに行動の一つ一つに合理性が生まれます。つまり、一つ一つの行動が「大きな目的」の達成のために必要な行動となるのです。
自らの行動を外から制御する=今まで頭でしていたことを外部のシステムにまかせてしまう、という点で、タスク管理は大きな「自己改造」だと言えるでしょう。行動原理がごそっと変わってしまうのですから。
おそらく人間の頭は「長期的な計画から逆算して直近の行動を決める」などという芸当には不向きだと思うのです。だから、「いつかやりたいこと」と、今の行動がまったく結びついていない、ということがよくあります。
でも、大きな目的から行動を逆算し、それを自分が実行するように外部からプログラミング=「タスク管理」してしまえば、「いつかやりたかったこと」に向かって着実に歩みをすすめる自分、ひいては「夢を実現した自分」が作れます。
なんだか青臭い/胡散臭いことを言ってる、と聞こえるかもしれませんが、これはシステムの原理の話であり、実際に実現するかどうかは、当然自分次第です。
とまれ、タスク管理で自己改造を施すことと、幸せな人生を送ることは、限りなく隣接していますがイコールではないのは自明のことです。
方法論は目的ではなくあくまで手段であるべきです。
タスク管理をして達成したい「人生のゴール」とは何か?それは、私自身にしか答えを出せない問題です。脳はおそらく、その答えを出すために使うべきなのです。
最後に、タスク管理を学ぶならこの一冊
「タスク管理」を学ぶなら「スピードハックス仕事術」が入門書として最適だと思います。この本で書かれているタスク管理の「理論」、特に「ダンドリ術」「作業時間の計測」「タスクの分解」は必読です。これらのタスク管理の理論を学んだ上で、タスク管理に使う様々なツールを使ってみることをおすすめします。
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