[コ]の時代

こんにちは。ヤトミックカフェ店主(運営人)の矢透泰文です。今回は、ちょっと暗いような、ひねくれたような、これからのクソみたいな未来に向けたFuckin'応援歌のようなエントリーです。

「つながりの仕事術」を読みました。

コワーキングスペース、という働き方に興味があり、「つながりの仕事術」を読みました。
つながりの仕事術~「コワーキング」を始めよう (洋泉社新書y)
「つながりの仕事術」は日本に「コワーキングスペース」を持ち込んだ佐谷恭さんらの共著で、コワーキングスペースのメリットについて書かれた本です。
巷では、「新しいオフィスを考える」ムーブメントが起こっている印象があります。
コクヨが制作するWebサイト「worksight」が新しいオフィスのあり方を模索していたり、まさにこの本にあるように東京・大阪など全国に広がっている「コワーキングスペース」なども、その動きを反映しているようです。
フリーランスで働く人や、会社員であっても「複業」を持つ人が増えてきた昨今、会社でもなく、カフェでもない、働くための「新しい場所」としてコワーキングスペースは注目されています。
そもそも「コワーキングスペース」って何?という点についてはこの本を読んでもらうとして、コワーキングスペースの良い点として書かれているのが

  1. 自分の居場所ができる
  2. 仲間や多くの知り合いができる
  3. 知識と技術の共有ができる
  4. 仕事のパートナーができる

・・・などなどです。なんだか良いことづくめですよね。だってこの本の帯が「パーティーするように仕事する!」ですから。これから楽しい時代が始まるぞ!とファンファーレを鳴らしてくれているように見えます。
個人が「会社」という組織に守られる時代は終わりを告げようとしています。個人がむき出しで、自分の足で立とうとするとき、しかし、一人では仕事ができない、そんなときに、会社ではない、
個人と個人の「ゆるいつながり」=「コ」(協力して)ワーク(働く)
という働き方がたち現れてきたということなのでしょう。
いわばこれからは「[コ]の時代」を迎えようとしているのです。

コワーキングできない人たち

しかし・・・光あるところに影ありとは良く言ったものです。この「コワーキング」という働き方は、必ずしも万人に当てはまるものではないのです。
「つながりの仕事術」には、コワーキングスペースのイメージとして、以下の様な描写をしています。

学生時代「部室」を利用していましたか?部活動をしていた人は自分が所属する部室を思い出してください。自分の部屋のような居心地のよさ、ツーといえばカーのような楽しく刺激的な会話が思い出されるのではないでしょうか。

そんな思い出ありませんから。
誰もが部活をしていたわけではないし、学生時代に帰宅部だったり、部活に入っていても幽霊部員だったり、自分の居場所がどこにも見つけられなかったりと、そんな人も多いはずです。
しかし、残念ながら、そんな「コミュニティへの非・帰属感」を持った人はコワーキングには向いていません。できない、ということではありませんが、スタートラインにはかなりのハンデがあります。
「コワーキング」とは、コミュニティなのです。そこで大事なのは、まず「スキル」です。それから「キャラ」です。人が集まり、自分がそこにいる正当性を持つためには、技術力・人間力が必要になります。
そこで求められるのは、めちゃくちゃにスキルが高いか、明るくてクラスで人気があるようなキャラの人でしょう。

性格が良くないと死ぬ時代

これからはコワーキングで働く「[コ]の時代」が来ると書きましたが、必ずしもすべての人には当てはまらないでしょう。しかし、会社や国家というセーフティーネットが崩壊していく、その影響はすべての人に及びます。
そのとき、[コワーキング]できない、私のようなコミュニティ不全の人はどうなるか。そういう人は「[孤]の時代」に突入していくことでしょう。
働く場所はなくなります。どこにも雇われない。誰にも誘われない。最後には孤独死が待っているでしょう。性格の良し悪しで、生死に関わる時代がやってきます。いや、すでにもう、その波は来ています。
しかしクラスの人気者だけが救われるような社会はデストピアであり、そんな社会が来ることは阻止したいものです。それが無理であるなら、こんなクソみたいな社会においては、できれば自殺などせず、のうのうと生きることが肝要だと思います。
のうのうと生きましょう。

ほかにこんな本も参考になります

この本の中で述べられている「ベーシック・インカム」というシステムはぜひとも実現させてもらいたいです。生活保護という「もらえる/もらえない」の選定からくる不公平感を一気に解消するには、国民全員に国から一定金額を支給してしまおう、という考え方です。

天才ニートによる生き方の本です。これは誰もが真似できるわけではありません。後ろ向きも転じて前向きになる、面倒臭いことが生きる原動力になる、嫌なことをやらずに避けていても生きていける、アクロバティック、人生体操の金メダルのような人です。
「こんなの真似できねえよ・・・」読んで逆に凹む人もいるかも知れません。人生に迷っている人は劇薬だと思って読んでみてはいかがでしょうか。

-世界の片隅から(よもやま話)