小説を書いて、発表してみた。

こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。

一時期の盛り上がりはちょっと収まりましたが、依然としてものを作る人に支持を受けているプラットホーム「note」。

私も「note」にアカウントを持っておりまして、イベントの告知サイトを作ったり、Podcastの出張版として音声を乗っけたり、バンドの曲や自作曲を公開したり、いろいろと楽しんでおりますが、最近は、ここ1ヶ月ほど、小説を連載しています。

今回のエントリーは、いわば素人小説のメイキングです。小説を書いている人がいれば、万に一つでも得られるものがあるかしら?と思って書きました。厚かましいですね。

この小説を書こうと思ったきっかけ

もともと大学時代に小説を書いていたのですが、就職してからはめっきり、集中して小説を書くことは少なくなっていました。そもそも、この小説の元になっているのは、社会人になって1年ほど経った2005年に試しに書いた小説です。

バラバラの短編を書いたあとで、「これは『森下家』の人たちを描いた連作短編になるかも」と思いつき、書きなおして「4つの頂点と辺」というパッケージにしたものです。

ただ、当時は、書いたはいいものの、完成度があまり気に食わなかったので、文学賞に応募するでもなく、PCの片隅に捨て置いていました。

それから、小説を完成させることはなかったのですが、昨年(2014年)にこの本を読んでから、モーレツにこの「失敗作」を書き直したくなり、手を入れて、大幅にリライトすることにしました。これは書き欲をめちゃくちゃに刺激してくれる本なのでおすすめです。

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書き直しを始めたのが2014年の7月、書き終えたのが2015年の6月です。約1年をかけてコツコツと書いたものを、またコツコツと分割で掲載しているわけです。例によってアクセスはそんなにないですが、書くことそのものが好きなので、問題なしです。また、そのゆっくりとした作業の進めかた私にはとても合ってます。

「Scrivener」を使って書きました

この小説は、4つの連作短編小説(第一辺〜第四辺)と、それをつなぐブリッジ(第一頂点〜第四頂点)で構成されています。
各短編は独立しながらも、連作なので、内容が有機的に繋がっています(といいのですが)。またブリッジ部分は、前後の短編の内容を反映しながらも、それ自体が独立した短編になっています。

結果的に構成が少し複雑になってしまったので、全体を俯瞰的に見られるツールがないかな〜と思って探したのが、「Scrivener」です。

小説に限らず、映画や演劇の脚本や論文など、とにかく構造的なテキストを書くときに便利なアウトラインプロセッサです。本文と資料が交互に行き来でき、章の入れ替えも自由自在です。

4つの頂点と辺  第四頂点 1

とにかく引くほど値が張りますが、さんざ迷って「えいや!」で買ってしまいました。
英語なのとあまりに高機能なので、まだまだ使いこなせていないのですが、今後も小説を書くときには積極的に使ってみようと思います(もったいないし!)。

どんどん書いてどんどん発表しよう

今回は「note」に発表してみたわけですが、アクセスはそんなにないものの、とりあえず読者を確保できているという意味で、発表してみてよかったなあと思っております。

ちきりんさんの「マーケット思考を身につけよう」では「小説を書いたらどんどん発表してみよう!」と書かれています。

これまで「小説家になりたい」人は、有名雑誌が主催する文学賞や新人賞に応募をするのが王道でした。(略)

でも市場化が進んだ今の社会では、まったく別のアプローチも可能になりました。自分の文章を、組織を通さず市場に開示し、市場からのフィードバックを得ながら(=失敗しながら)、書く内容や、書き方を改善していくという方法です。(略)

このとき大事なのが、失敗してもいいので、作品をどんどん市場に出すことです。文学賞に応募するなら(もしくは漫画雑誌に自分の作品を持ち込むなら)ある程度の質まで仕上げてから応募するのが当たり前ですが、市場に出すなら未完成の段階で市場に出し、フィードバックを得て改善していくほうが早道です。

(「マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法
」)

私は小説家になりたいわけではないのですが、作品を書いていきたい、という気持ちはあるのでとても参考になりました。私も才能がスパークしていれば、文学賞に通ってプロの編集者に磨かれる、という経験もできたかもしれませんが、そんなチャンスはなかなかめぐってこなさそうなので。

というわけで、今回は小説を試しに発表したわけですが、小説にかぎらず、何かものを書いたり作ったりしたら、どんどん発表すればいいと思います。もし幸運にも読者からフィードバックが得られたら、それをもとに書き直す。

実際にあなたに才能があるかどうかはまた別の問題ですが、まず発表しなければ、良きにつけ悪しきにつけ、何も始まりません。

ということで、今後も私は小説を書き続けていきます。もしお誘いがあれば、別媒体に書かせていただくことも可能でございます。最後に営業で、おひらき。

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