アセスメントに頼りすぎると人材を見誤る、と思う
こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。
世の中には、ストレングスファインダーを始め、ハーマン診断、EQなど、個人の特性を理解する様々なツールがあります。簡易なもの、複雑なもの、比較的安価なもの、高価なものまで、百花繚乱でしょう。
こうしたツールは、チームビルディング、配置異動などの組織マネジメントのために使われますが、しかし「ツールの使い方を間違えるとうまくいかないぞ!むしろ有害になってしまうこともあるぞ!」ということを考えてみたいと思います。
Agile Project Management / VFS Digital Design
まず人間を見よう!
「人間は機械ではない」というのはよく言われる話です。デジタル機器のように、入力に対して必ず同じアウトプットが返ってくるわけではないからです。
人間とは、すごく不安定なものです。1人ひとり違います。1人ひとりが違う性格、違う思考、違う嗜好を持つので、当然ながら個別の対応が大事になってきます。
人間は1人ひとり違う。ということから、ツールの結果ありきで人間を見てしまう弊害が見えてきます。
ツールの結果は、あくまで個人の特性、しかも特性のある側面だけを、最大公約数的なキーワードで切り取ったにすぎません。ツールを使って得られた結果だけから「この人はこういう人だ!」と見てしまうと、人間を完全に見誤ってしまいます。それは「見ている」のではなく「思い込んでいる」だけだと言えます。
ツールの結果だけで人間を見て「こういう奴なのか」と結論を出してしまうことは、固定化した視点で人間を見ることになり、その人の多様な側面・可能性を見落としてしまうことになります。そんな状態で、適材適所への配置などできるでしょうか?
ツールは人間理解の補助である
ツールを使うときには、その順序が重要です。まずツールありきでなく、まず人間ありきであるべきです。
例えばストレングスファインダーで、同じ「調和性」(対立を避ける)という資質を持っていたとしても、その現れ方や使い方は人によって異なります。
- 対立を避けたいので、対立する双方の言い分をまとめ、落とし所を見つけるのが上手い。
- 対立を避けるために周囲の意見に従う。大局的な意見を見つけるのが上手い。
など。全然違いますよね。とても同じ名前の資質を持っているとは、パッと見てはわかりません。
「この人はどんな人なんだろうか?どんなことが得意なんだろうか?何が好きなんだろうか?」と、人間をじっと見ること。興味をもつこと。まずはそんなふうにして、対象となる人間を観察することから始まると思います。
その上で、理解を深めるためにツールを用いるのです。あくまでツールは補助的な役割です。
「1人ひとりを見るなんて、そんなの大変でやってられないよ!」
と思うかもしれません。しかし、それがマネジメントという仕事の本懐ではないのだろうか、と思うわけでもあります・・・。
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