人に学ぶのに邪魔な自意識をハックする|「夢をかなえるゾウ」を読んで

こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。

Kindleストアでお得だったので、今さらながらベストセラーとなった「夢をかなえるゾウ」を読みました。

面白く、示唆に富んだ内容で・・・と感想を書く暇があったら行動をおこせよお前!と発破をかけられる内容だったので、野暮な感想を書くのをやめて、さっそく何かしらやってみようと思っています。

そこでネックとなるのが「他人にベクトルを向ける」という考え方です。今回は「他人にベクトルを向けるにはどうしたらいいか?」を自分なりに考えてみました。

夢をかなえるゾウ
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「夢をかなえるゾウ」のテーマ

「夢をかなえるゾウ」は、成功するためにはどうすればいいのか?ということをテーマにした物語です。

つまらない日々を送る主人公の前に現れたインドの神・ガネーシャ(関西弁を喋る)が、「成功を手にするための課題」を主人公と読者に対して毎日1つずつ出していく、という形式になっています。
読者はその課題をこなしつつ、成功するための考え方を身につけていきます。

本書で述べられている「成功するための考え方」とは

「人の欲を満たすこと」=「自分の欲を満たすこと」

になるように仕向けるということです。

自分がやりたいからやっているのに、人が喜ぶ→やればやるほど人も自分もうれしい→どんどん技術が向上する→さらに多くの人を喜ばせることができる・・・という上昇スパイラルを描けるはずだ、というのが要諦でした。

他人にベクトルを向ける

その中でキーワードとして出てくるのが「他人にベクトルを向ける」という言葉です。

人は大抵、自分の欲求とか、人からどう見られているかとか、自分にばかりベクトルが向いている、といいます。しかし他人にベクトルを向けなくては、人を喜ばせることはできません。人が何を欲しているかがわからないからです。

また、成長のためには「人の真似をしろ」とも言っています。真似をするというと悪いことのように聞こえますが、それが良い結果を生み出すことならば、積極的に模倣すべきだといいます。

良い結果を生み出すことでお客さんが喜ぶのに、真似をするのを嫌がり、方法にこだわってしまうのは、単に自分のプライドが邪魔をしているだけ。それこそ自分にベクトルが向いているからだ、というのです。

テンポよくガネーシャの関西弁を読みながら、「なるほどなあ〜確かになあ〜」と思うと同時に、「やっぱり人の真似をするのは恥ずかしいなあ」と、思ってしまいました・・・。

そこで「守破離プレイ」テクニックを使う!

どうすれば他人にベクトルを向けることができるのか、と考えていたところ、ふと私が思いついたのが「守破離プレイ」テクニックです。

「守破離」とは、武道における師弟関係の思想を表したものです。
「守」とは、師匠から教わる流儀・型を徹底して守り、そこから外れないようにすること。
「破」とは、師匠の流儀を自分のものにした後に、他の流儀も研究すること。
「離」とは、師匠の流儀を離れ、いよいよ独自の流儀を生み出していくこと。
段階を追って、徐々に道を極めていくための考え方です。

自分のプライドがじゃまして、恥ずかしいとか、思ってしまう時は、
「これは武道なのだ。守破離なのだ!」
と思い込む。

つまり、プレイ化することで、プライドを麻痺させることができるのではないか?というものです。

はっきり言ってバカ。しかし、自尊心を保ちながら、学ぶのに邪魔なプライドが少しでも減るならしめたものです。ごっこ遊びが好きな私には良さそうな方法だと思うんです。

人の真似もできるし、良い方法も身につけられるし、格好つけたい自分の欲求も同時に満たせる、心理ハックです。(なんちゃって)

さらに思い出したのが、著書「あなたを天才にするスマートノート」の中で、岡田斗司夫さんが 述べていたことでした。それは、何かを学ぶときに、学ぶ対象の人を頭から信用し、まるごと学びにいけ、という主張です。

さて、師匠からなにかを学ぶ方法は「すべて信じる」です。

(略)

モノを学ぶというのは、まず無批判に相手がやってることをすべて写すことから始まります。

学ぶのが下手な人というのは、早い段階で批評や自分の意見を入れちゃうんですね。

(略)

学べることがいっぱいあるのに、自分のプライドを入れちゃったら学べることがその分だけ減るんですよ。

「学べること絶対量の法則」と呼んでるんですけれども、学べることが10あっても、自分のプライドを8持ち込んじゃったら、2しか学べない。

(略)

どんな人でも、人間だからプライドをゼロにするのは不可能なんです。けれども、1とか2とかできるだけ小さくしていくと、恐ろしく伸びしろがある。

(「あなたを天才にするスマートノート」)

「何かを学ぶなら信者になれ」と岡田さんは言います。これも良い「プレイ」になりそうです。

「他人にベクトルを向ける」というのは、自分のことを考えるのが大好きな私にとっては、まだまだハードルが高いのですが、まずは「守破離プレイ」テクニックで、第一歩を踏み出したいと思います。

また、今回は「人の模倣をする」ということにフォーカスしてきましたが、「人が何を欲しているかを知る」ということも、もちろん大事なことです。「サービスデザイン」ともリンクしてくる考え方ですから、あらためて考えようと思います。



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