2008年7月、「ギララの逆襲」という
世にもゆるい映画が封切られた!
映画を愛し、映画業界をよく観ている編集者、仲尾寄人さんと
ヤトミックカフェ店主、矢透泰文が、さっそく鑑賞。
「ギララ」を観ての雑談と相成った・・・・。


第6回:「お約束」が映画である


仲尾
ひとつ質問なんだけど
どうして怪獣の首が飛ぶと、大爆発するんですか。

矢透
あれは、そういうお約束なんですよ。

仲尾
そうでしょ。そういうところに興味があるんだ。
あるところは
「そういうもんだ」で通すのに
あるところでは、事実に即してきっちり作るでしょ。
その境目は何なんだ、ていう。

矢透
全部リアルでもダメ、全部ファンタジーでもだめ、
そのブレンド具合が映画の妙味というか。

仲尾
そういうところは他にもあって
例えば、ものすごい小さいナイフで刺しただけで
刺された方は、苦しみもせず死んでしまう。
かと思えば、いつまで経っても死なないで
刺された箇所を押さえて這ってくる、という
両方のパターンがあって、
それは演出次第だっていうのが、笑っちゃう。

矢透
主人公の側の人は、いつまでも死なないとか。

仲尾
そうそう、ルパンなんかでもあるけど
次元が撃つと、どうでもいい雑魚はすぐ死ぬけど
ルパンの肩とかが撃たれた場合は全然生きてるでしょ。

矢透
登場人物が全部、並列で描かれているのも
観てみたいけどね。

仲尾
でも、それはやってみたら面白くないと思うよ。

矢透
まあ確かに
「主人公は死なないでほしい」
っていう期待もあるもんね。

仲尾
だからそこで
「なんで主人公だからって死なないんだ、
この映画は嘘だ!」
って言う人がいたら、その人は映画が好きじゃないよね。
あるときはものすごくリアルにやるし、
あるときはお約束にする、それが映画
なんだと思う。

矢透
じゃあ、そろそろ時間も来ましたんで、
このへんで。
今日はどうもありがとうございました!


これで、当連載は終わりです! ご愛読、ありがとうございました!