ストレングスファインダーの結果がなかなか活かせないのはなぜか?

2016/05/17

こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。

前回の更新から時間が立ち、時節柄、熊本・大分の震災に触れないわけには行きません。被害に合われた方には心からお見舞い申し上げます。とはいえ私の微力よりも、お見舞いよりも少しの義援金、支援金が必要な時期であると思います。

このブログでは、ここ数年「3月11日に思うこと」というエントリーを書いていますが、今は「何かしたい」と思ったとしても、現地ボランティアでも大した貢献はできないでしょうし、自分の出る幕はないのかな・・・と考えています。しかし「何か役に立ちたい」と思い続けていれば、いつか必ず「呼ばれる」日が来るとも思います。

また、ボランティアということでいうと、現地に行かずとも、住んでいる地域でできることはたくさんあるということなので、できることを探してみたいと思います。

さて、今回はストレングス・ファインダーについてです。

ストレングス・ファインダーを受けたあとで、「ああ、やっぱり自分は◯◯◯という資質を持ってない。ダメだな〜」と、「自分の弱点の追認」に使ってしまう人がいます。

本来は、ストレングス・ファインダーは「強みを発見する」ツールですが、結果が出ても、その結果を活かそう、という発想にならず、「◯◯◯がないからダメだ」という発想になってしまうのはなぜなのでしょうか?

weakness
weakness / iulia.pironea

なぜ「強みを活かそう」という発想にならないのか?

私がそうだからよくわかりますが、ストレングス・ファインダーを受けたとしても、「おお、俺の才能はこれか。よーし、ガンガン活かすぜ!」という発想には、なかなかなりません。

だいたい、受けたあとの感想は
「ふーんこんなものか」という淡白なものか、
「え、知ってたww」という自己認識の追認派か、
「ああ、やっぱり自分はダメだ」という前述の弱点の追認派、
と3つくらいに分かれます。

ストレングス・ファインダーの結果の正しさは保証しますが、それだけに、「意外な結果が出にくい」ということもあり、サブライズ!みたいな反応は出にくいのです。

それだけに、受けたあとにどれだけその結果を活かせるか?が問題であるわけですが、そのうち、やはり結果を活かしにくいのは「弱点の追認派」だと思うのです。

なぜ、「自分はダメだ」と思ってしまうのか? なぜ「弱点」に目が向いてしまうのか?私が考えるに、おそらく大きく3つの可能性があります。

1.自分にない資質が必要な環境に置かれている

仕事柄、自分が「苦手だな・・・」と思っていることをやらなければいけない、むしろそれが仕事の本丸、という場合があります。そういう場合、自分の弱点に嫌でも目が行きます。

私の場合、Webディレクターという仕事柄、進行管理は必要です。しかし、私は計画をたてるのが大の苦手で、目標を立ててさかのぼってやるべきことをピックアップする、とか、先回りして何かする、というのが苦手です。

私の場合、「適応性」(第3番目)という、「今を生きる」「来たものに対応する」「その反面、計画をたてることに興味が持てない」という資質が上位にあり、それとトレードオフであると思っているので、仕方がないと半ばあきらめています。

2.人間かくあるべし、という理想像にとらわれている

自分の弱点に目が行ってしまう人は、なんとなく「こうあるべき」「理想に程遠い自分はダメ」という思い込みにとらわれていないでしょうか。

私の場合、「人間(という大げさなくくりでなくても、Webディレクターとして)人を鼓舞したり、率いたりできなくてはダメだ!!」という思いがあります。

しかし私がたとえ「俺についてこい!」と言ったとしても、実際にについてくるのは、頭を飛び回る虫くらいのものでしょう。理想には追いつけっこありません。無理があります。

3.周囲の人と比べている

自分の弱点に目が行ってしまう人は、人と自分を比較し、自分にないものを数えてはため息をついてはいないでしょうか。

私の周囲には、優秀な同僚が何人もいます。クライアントに「あなたじゃダメだから別の優秀な人を連れて来てください」と言われたこともあります(情けない・・・)

その人たちを見ると、私の持っていない資質をたくさん持っています(ストレングス・ファインダーの結果を見ていないので、推測ですが)。

例えば、多くの人と触れ合える「社交性」、一度決めた目標に対して最短でたどり着こうとする「目標志向」「戦略性」、メンバー個々の性格を見てマネジメントできる「個別性」・・・数え上げればきりがありません。

しかし、現実的に考えて、私が努力をすればその人たちに追いつける日が来るでしょうか?否。たぶんその前に私は死んでしまうでしょう。

ストレングス・ファインダーを活かす3つの考え方

ストレングス・ファインダーは、人が「ついやってしまう」行動や思考の傾向性に、34個の名前がついていて、自分の持っている上位5つ(お金をさらに払うと34個の順位全て)を教えてくれるものです。。

例えていうなら、ストレングス・ファインダーは、いわば、「自分の手持ちのカード」を知ることができるにすぎません。それは、自分が今までの人生を生きることによって、いつの間にか配られていたものです。私たちは、それを切ることによって、なんとか生きているわけです。

しかし、ふだんから自分の強みを意識していないかぎり、自分の手持ちのカードの知ったとき(ストレングス・ファインダーを受けたとき)は、そのカードはレベル1、つまり最弱の状態です。自分の強みを活かす、とは、手持ちのカードのレベルを上げる、ということです。

「自分の弱点に目が向いてしまう」人というのは、自分の手持ちのカードがあるにも関わらず、自分が持っていないカードを望んで、嘆いている、みたいなものです。まったく非生産的です。しかしそれが人間というものなのかもしれません。

自分の弱点となるカードが手に入らない場合、どうするか?私の考えるのは3つの対処法です。

対処法1:カードのレベルを上げる

詳しくはこちらのエントリー(「ストレングスファインダーの結果を活かす「4つのアプローチ」とは?」)を見ていていただければと思いますが、ストレングス・ファインダーの結果を活かすためには、「資質の照らしあわせ」がもっとも有効です。

照らしあわせとは、普段の行動から

  • 「あ、自分はこれ得意だな」
  • 「自分はつい、無意識のうちにこういう行動、考え方をするな」
  • 「自分にとってはなんでもないのに、人に喜ばれるな」

等々を見つけて、一つ一つ、自分の資質と照らしあわせ、自分は資質をこういうときに使っているのかな??という仮説を頭のなかに貯めていくということです。

そもそも「自分の資質ってどういうもの?」を知りたいときは、こちらのリンクからギャラップ社のストレングス・ファインダーダッシュボードをご覧ください。ストレングス・ファインダーを受けた時のメールアドレスとパスワードを入れることで、自分の資質ごとの特長や行動のヒントを読むことができます。

対処法2:自分にないカードは、人のカードの力を借りる

ストレングス・ファインダーの基本思想の一つに、「自分にない才能は、それを持っている人の力を積極的に借りよう」というものがあります。

資質の貸し借りをしよう、それがストレングス・ファインダーがチームビルディングに使える、という所以です。自分にない強みは、それを持っている人に力を借りればよいのです。シンプルです。

対処法3:自分のカードの組み合わせでなんとかできないか考える

とはいえ、人の手を借りられず、どうしても自分でなんとかしなくてはいけない、という環境にいる人も多いはずです。なんとかしなくてはいけないのですが、自分の手持ちのカードが、弱点をドンズバで補完してくれる・・・ということはまずありません。

例えば、私は達成欲が34番目です。つまり下位にあって、自分には全く無い思考です。従って、与えられたノルマを達成したりとか、スケジュール表が真っ黒になることによって充実感を感じるとか、そういうことはありません。ですので、そういう行動・思考をしろ、と求められても、端的にできません。

手持ちのカードを見ても、そういう「積極的に何かやる」ということを補完してくれるカードがない。そういう場合に、どうするか?

例えば、「慎重さ」(5番目)×「収集心」(6番目)で、事前リスクを片っ端からかき集めて、それをつぶすことによって仕事をなんとか片付ける、という方法をとります。

あるいは、物事のあるべき姿、物事の起こりを知ることで、全体像を一気につかむ、という「原点思考」(1番目)を使い、するべき行動をピックアップする、という方法をとります。

そういうふうに、自分の手持ちのカードの組み合わせでなんとか工夫します。これは、前述の「照らしあわせ」をすることで、引き出しを増やすことができます。

まとめ

ストレングス・ファインダーを受けても、上位の資質に目が行かず、自分の持っていないカードに目が行って、落ち込んでおしまい、となってしまうケースも、多いのではないでしょうか。

また受けたはいいけど、そのあと特に何をするでもなく、そのまま、という人も多いと思います。

ストレングス・ファインダーはスルメみたいなもので、受けたあとに、「照らしあわせ」をすることで、噛めば噛むほどに味わいが出てくるものです。

なので、せっかく受けた人は、ストレングス・ファインダーの結果を、もう一度見なおして、願わくばなんとか活かして欲しいと思います。面白いですから。

-ストレングスファインダーの話