「考える前に動け!」vs.「動く前に考えろ!」正しいのはどっち?

こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。

よく人から言われる説教に、「行動する前によく考えろ!」とか「考える前にまず動け!」といったものがあります。「考えること」と、「行動すること」の関係性が、まったく逆なのですが、どちらもよく言われます。

このことについての言説は数多ありますが、どれも「俺こそが正しいぜ」というオラオラな価値観が見え隠れしてしまって、(なんだかな〜)ともやもやします。

というのも、「行動する前に考える」人も、「考える前にまず動く」人も、どちらも世の中にはいます。考えることと行動することの関係性は、どちらが前か後か、という「順序」では一般化できない、のではないでしょうか。

Denken / Thinking
Denken / Thinking / Sebastiaan ter Burg

では、考えることと行動することの関係性について考えたとき、大切にすべき最低限の原則はなんだろか?というのが今回のエントリーです。

(シンプルな要旨にするためにいろんな例外をすっ飛ばしていますのであしからず)

言うまでもなく「行動」が一番大事

いきなり答えを出してしまいますが、「考えること」と「行動すること」を較べてみると、やはり大事なこと、いちばんのゴールにすべきなのは「行動すること」でしょう。

行動は、世界への働きかけであります。行動とは何も派手なアクションでなくとも、地味な一歩でも、単なる挨拶でも、かまわないわけです。

「甘いモノが食べたい」という考えがあったとしても、それだけでは何もならず、「コンビニに行ってお菓子を買ってくる」/「カフェに行ってスイーツを食べる」/「京都に行って和菓子を食べる」/「あえて我慢する」などの「行動=外の世界への働きかけ」があって初めて、考えは外に出され、世界に対して働きかけが行われて初めて、何らかの結論が出されるわけです。

それによってあなたは前に進む。仮説は検証され、世界は少し変わる。動かなければ、世界は1ミリも変わりません。ちょっと情緒的な表現ですが。

考えることは行動に従属する

「行動すること」をいちばん大切なゴールとすると、「考える」ことは「行動する」ことに従属するものであるべきです。つまり、「考えることは、行動するためにするべき」ということです。(※考える、という行為そのものに意味のある分野もありますが、すっ飛ばします)。ですから

行動する「前」に考えようが
行動した「後」に考えようが
行動し「ながら」考えようが

順序はどうでもよく、とにかく「考えることが行動することに貢献しているか?」を問えばよいと思うのです。

外向的な人には信じられないかもしれませんが、「行動する」ことが、アタリマエのことではなく、勇気をふるいおこさないと行動できない人もいます。(私)。行動するために、考えることの力を借りることは、よくあることです。

私は「怖がらずに行動するための思考実験」を考えだしたりもしました。

考えるのが好きな人のための「行動できない病の克服法」を考えたの巻

考えることと動くことの関係性を説く論が暴論に見えるわけ

前述したように、最終的に「行動をする」というゴールを据えたら、「考えること」が行動の前にあろうと後にあろうと、どちらでも良いことです。

「動く前にまず考えろ」「考える前にまず動け」という論は、行動することの重要性を言えばいいところを、順序にこだわりすぎているから、本質とずれてしまっています。

「動く前にまず考えろ」という説教は、「考えることによって、行動の質を上げよう」というアドバイスに言い換えればすむ話ですし、

「考える前にまず動け」という説教は、「もし考えないと動けないのであれば、『動く前に考え、動いた結果を検証する』そのスパンを短くしていこう」という技術的指南にすべきです。

事程左様に、本質を忘れた説教は無意味なものですが、いかに行動するか、行動の質をいかに上げるか?については、考え続けていきたいものだと思いました。

-世界の片隅から(よもやま話)