「欲求の4タイプ」とストレングス・ファインダー(3)|チームビルディングに役立てる
こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。
ストレングス・ファインダーと欲求の4タイプを考えるシリーズ第3回です。
更新がすっかり遅くなってしまいました。
これまで、ストレングス・ファインダーを考える補助線として「欲求の4タイプ」を使おう、という話をしてきました。これまでは、
4タイプが人間関係を円滑にしてくれる理由(第1回)、
4タイプとストレングス・ファインダーの関係(第2回)
などなどを考えてきました。
今回は、チームビルディングについて考えてみることにします。
Pittsford Mendon Girls Basketball team building. Create-Learning Team Building and Leadership (36) / Create-Learning Team Building & Leadership
チームビルディングに大事な「ダイバーシティ」
チームビルディングを考えるときには大事なことがたくさんありますが、ここでは、チームを構成する一番重要な要素「人」にフォーカスを当てます。
ストレングス・ファインダーは「強みにフォーカスしろ」が最大の原則です。裏返すと、「弱点を追うな」。自分の弱点は、人に補ってもらえばいいのです。「ストレングス・ファインダー」を用いたチームビルディングの根本的な思想は「ダイバーシティ」(多様性)。各自の強みを伸び伸びと発揮し、お互いの弱みを補い合おうということです。
ストレングス・ファインダーをチームビルディングに活かすには、
- 自分の資質を知る
- チームメンバーに自分の資質を開示する
- 他のメンバーの資質を知る
- チームに貢献するために何ができるか話し合う
というステップを踏みます。
このように、チームの中でダイバーシティが活きるためには、自分・他人の強みの理解と、お互いへの信頼が必要です。
チームにおける多様性の重要さは、「さあ、才能に目覚めよう」の続編といえる「ストレングス・リーダーシップ」という書籍に書かれています。その本では、34の資質を4つのカテゴリに分けていて、それもまた面白い内容です。興味のある方はご一読ください。
4タイプでチームのバランスを知る
しかし、もっと根本的に、「チームのバランス」を知りたいというときに便利なのが、「欲求の4タイプ」です。
現在のチームが「なぜかしっくり来ていない」と感じることってないでしょうか。
メンバーはみんないい人ばかりで明るいチームなのに、目標が達成できていないとか、逆にそれぞれが自分の成績ばかりを追って、チームとしてまとまりがないとか・・・。
問題はないように見えるのに、なぜかしっくりこない。そこで、チームの「バランス」を知るのに「欲求の4タイプ」を使ってみてはいかがでしょうか。
「欲求の4タイプ」は、4つのタイプがバランスよく揃うことで、文化をうまく伝えられる関係になるといいます。つまり、どれか一つのタイプが欠けたり、突出していても、バランスには欠けるということです。
たとえば、「理想型」がトップに立ち、他にその人をサポートする人がいないチームは、おそらく、往々にして上手くいかないでしょう。
なぜなら、「理想型」は「自分のこだわりを形にしたい」という欲求のベクトルを持っているため、自分が信じる理想に走りがち。予算やスケジュールといった現実的な制約を嫌う傾向があるからです(あくまで傾向ですよ)。
「理想型」が人を率いるためには、優秀な「司令型」の助けが必要です。
友人関係ならバランスが欠けていても問題ないのでしょうが、仕事において、ひとつの目標に向かってチームを組んで進んでいく時には、4タイプのバランスが欠けているのはおそらく良いことではありません。
4タイプ×ストレングス・ファインダーでチームビルディング
4タイプの欲求のベクトルがどのようにチームのバランスに貢献するかというと、以下のような感じです。
- 「注目型」:チームの雰囲気を明るくする
- 「司令型」:指揮をとり、勝つため計画を立てる
- 「法則型」:必要な情報や戦略を収集し検討する
- 「理想型」:チームが大事にすべき方向性を指し示す
どれか一つのタイプが突出していたり、特定のタイプがいないと、バランスが悪い・・・という感じ、わかりますでしょうか。
「何だかうちのチームはうまくいかないなあ」というときは、欲求のタイプが偏っているのかもしれません(もちろんそれ以外の要因もあるかもしれませんが)。
チームビルディングにおいて、欲求の4タイプとストレングス・ファインダーを組み合わせる最大のメリットは、メンバーのことを理解するのに、「欲求のベクトル」と「資質」という2つのヒントが与えられることです。
まず「欲求の4タイプ」で、チームのバランスを見ます。各タイプの人が、どのような方向性で活き活きと動くのかを把握します。
もしメンバー間のバランスが偏っていたら、新しくチームメンバーを入れ替えるか、リーダーが腹をくくってそのチームをマネジメントするか、の2択になるでしょう。しかし少なくとも「よく原因がわからないが、うちのチームはどうもしっくりこない」という事態は避けられます。
そして次に、メンバーに「ストレングス・ファインダー」を受けてもらい、5つの資質を知りましょう。それらは、「その人がついついやってしまう行動・思考のクセ」です。その人の「クセ」が活きる仕事を探しましょう。あるいは、メンバー間で話し合って仕事の分担をしてもよいでしょう。自分の「行動・思考のクセ」が人の役に立ったと実感すると、それは「強み」に変わります。
このように、チームメンバーの欲求のベクトルと資質を知っていれば、その人がどういうときにやる気を出し、いきいきと働けるのか、というヒントが見つかりやすくなるでしょう。
まとめ
「ストレングス・ファインダー」を受けてから一番悩むのが、「ストレングス・ファインダーを受けたけど、で、このあとどうすんの?」ということです。
それについては私自身もまだまだ研究途上なのですが、4タイプと組み合わせて、チームビルディングに役立てる、という視点は、そのヒントの一つになるでしょう。
さて、3回にわたって「ストレングス・ファインダー」と「欲求の4タイプ」の掛け合わせについて考えてきましたが、今まではいわば「理論編」というものでした。
私自身の学びも深めるため、この理論を自分の職場で実践したいと考えていますので、また報告させていただきます!
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「欲求の4タイプ」とストレングス・ファインダー シリーズ (1)|なぜ4タイプは人間関係の潤滑油になり得るのか (2)|資質と人格の関係とは?