ラジオとインターネットを比較する|コミュニティについて
こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。
今回は、ふと思い立って、「ラジオとインターネットの共通点と違いを探すシリーズ」を始めてみようと思いました。
ラジオとWebは、前々から、共通点の多いメディアだなあと思っていましたが、今回は特に「コミュニティ」の発生装置としての共通点と違いを探してみようと思います。
コミュニティ発生の起点は?
ラジオとWebはそれぞれ親密なコミュニティを発生させますが、その起点はどこなのでしょうか。
ラジオは人が起点
しゃべっている人が起点となっています。その人のパーソナリティが物を言います。TBSラジオ「たまむすび」の赤江珠緒さんが良い例。僕が好きな番組なのでひいきしているだけですが、赤江さんの愉快なキャラクターが多くのリスナーを惹きつけています。
Webはテーマが起点
Webにおけるコミュニティは非常に多面的ですが、ざっくりとまとめると「テーマ」が起点といえるでしょう。共通のバンドのファンが集まったりしますよね。Twitterにおけるハッシュタグで生まれるコミュニティも「テーマ的」です。(ミクシィは現実の人間関係をWeb上に敷衍したものとして始まりましたが、やがてテーマごとのコミュニティが発生していきました)
コミュニティの広がり方は?
それぞれのメディアで生まれたコミュニティは、どのように変化してしていくのでしょうか。
ラジオはパーソナリティとの関係が深化していく
ラジオのコミュニティは、パーソナリティ(DJ)を中心にした場になります。リスナー同士の横の交流はありますが、基本的にはパーソナリティとの関係が深化していきます。1人ひとりが番組を聴きながら、番組との親密さを深めていきます。ただし番組が終わるとコミュニティも解散します。
Webはコミュニティが分化していく
Webのコミュニティはテーマが起点となって発生するのですが、そこでやりとりしていく中で、テーマはさらにサブカテゴリへと分化していく傾向があります。さらにテーマやメンバーは流動的で、どんどん入れ替わっていきます。深化するというよりも、変化する、という感じでしょうか。
ラジオとWebは共存できるのか?
2つのメディアについて考えてみたのですが、ラジオとWebを較べてみた時にどうもラジオは分が悪いようです。こちらのブログで喝破されているのですが
インターネットの登場により、ラジオは相対的に「不便なメディア」になってしまった、というのです。
「広告」の場としての魅力で考えると、確かにラジオ(特に電波を飛ばす昔ながらのラジオ)は、パワーダウンしてきている現状は否めません。しかし、それは単に昔ながらの指標(聴取率)が怪しいんじゃないの?という疑いはあります。
現に、TOKYO FMのラジオドラマ「あ、安部礼司」は、ラジオを使ったマーケティングの成功例でしょう。番組には熱狂的なファンがたくさん存在していますが、番組の企画とスポンサーである日産自動車がうまくコラボレーションすることで(ドラマの登場人物が日産の車に乗って旅をし、先々で実際にイベントが行われるなど)、番組への親密さがそのままスポンサーへの好感度に直結しています。
ラジオとWebは、上で見てきたように本質的な違いをはらんでいますので、良い所を生かしつつ、共存はもちろんできると思います。
ただ、現在はラジオのプラットフォーム自体がインターネットに移行していると言えるので、インターネットがラジオ的な特性を手に入れつつある、といえるかもしれません。
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