頭が悪いのだ
2006年の10月いっぱいで、現在の会社を
退職する決意をした。
思えば、2年半の短い勤めだった。
たった2年半でも、多くのことを学んだ。
けれども
学ぶだけで仕事はできていなかったように思う。
ワカラナイ
というのが、ひとつのキーワードだった。
仕事のことが理解できない。
技術がわからない。
言葉がわからない。
わからないことに囲まれるのは恐怖だ。
つくづくそう思った。
でも、理解できていないのは、どうやら
僕だけだったようだ。
俺は頭が悪いのだ。
どこかのネジが抜けている。
そんなことを考えたりしたが、おそらくそうなのだろう。
頭が悪いことに気がついている自分は、実は頭がいいのだ
などと “ぶる” つもりはない。
自嘲でもない。
だって本当にわからないんだから。
ワカラナイ、というのは恐ろしい。
わからないことに取り囲まれるのは、
水中で息が苦しいのに似ている。
しかし、
「結局俺は頭が悪いのだ」
と思い切ってしまうと、どこかスガスガしくもある。