叩く・叩き・叩け!
とにかく何でも、まずは叩けないといけないのだ。
叩くところからすべてが始まるのだ。
ついこのあいだ、会社で、
とても忙しい部署に飛ばされた。
1週間だけのお手伝い、ということだったが、
仕事の内容も、詳細も、右も左もわからないまま、
お客に提出する書類を作る羽目になった。
まったくわからないので、書き様がない。
手がつけられない。
ひどい上司だ・・・とそう思った。
ところが、僕の上司は怖い人なので、
いつまでも書類ができてこないと、ひどく不機嫌になる。
まずい。
とにかく僕はヤケクソで、大ざっぱに、
わかるところだけ簡単に書いて、提出した。
当然ながら、赤が入り、修正となる。
簡単な説明も受ける。説教も受ける。
しかし、次の修正は、最初よりもずっと楽になっている。
すでに叩き台があるからだ。
求められているレベルからすると、ものすごく
ショボいものではあったけれど、
そいつをネタに、教わったり、叱られたり、
足したり引いたり、
どんどんどんどん叩いていけば、
いつかはものが出来上がる。
その書類も、何とか完成の運びとなった。
叩き台は、叩かれるためにあるのだな
と、僕は妙に納得した。
とにかく何でも、まずは叩けないといけないのだ。
叩くところからすべてが始まるのだ。
そのためにはまず、叩かれるためのものを、
ショボくても何でもいいから、とにかく作ったほうがいい。