アイスランドへ旅した岩坪文生(ふみお)さんの
コラムを連載しています。

アイスランド グルメと仮死の旅 第1回

アイスランドへ行ってきたのは、昨年(2009年)末のことだ。

そもそもなぜ、寒い所が苦手な私が、北欧の果て、
北極点に隣接するアイスランドに行くことになったかというと、
簡単に言うと、アイスランド人と仕事で関わることとなり、
アイスランドに来たら、美味しいサーモンを食わしてやる、
と言われたのだ。

うーん、寒いところだが、メキシコ暖流に囲まれていて、
自然も豊かだと聞いている。氷国のサーモンはさぞかし
美味しかろう、と、渡氷(!)を決めた。

ちょっと誰も行かない辺鄙なところにも行ってみたかった。
要は暇だったのだが。

ここで、アイスランドの基礎知識を少し述べておこう。

フィンランドとグリーンランドの間、大西洋に浮かぶ小さな島。
面積は10万平方キロメートルで、
北海道と四国を合わせた位の島に、約30万人、
鳥取県の半分程度の人たちが暮らしている。

首都はレイキャビックで、人口の半分がこの街に住む。



ハットルグリムス教会から見下ろしたレイキャビク市内。


家々や町並みはヨーロッパ風で可愛らしく、
「おもちゃ箱をひっくり返したような」街だと
表現されることがある。

公用語はアイスランド語だが、住民の80%以上が
流暢な英語を話す。

アイスランド語は語尾変化が複雑で、名詞は4パターン、
動詞は、主格が1人か2人か3人かで変わるという、
習得するのには多大な苦労を要する言語。
古代ノルディック語の原型をとどめる形で受け継いでいるらしく、
ドイツ語の発音に似ている。

「古代ノルディックの文献がほとんど読める」
とあるアイスランド人に自慢されたが、それを聞いて、
むしろ不便なことの方が多いのでは・・・と思ってしまった。

(不思議なアイスランド語。次回はいよいよアイスランドへ・・・)