鈴木恵さんと、転職のはなし。
鈴木恵さんは、僕と同世代の編集者です。
今までに、二度の転職を経験されました。
今回は、その経験をふまえて、
『転職すること』
について、じっくりと語りました。
第7回:女性の転職理由は、また違う。
鈴木 |
それとね、面白かったんだけど、 女の人はまた転職理由が違う、 というのが最近わかってきて。 他の友達とかと会ったときに話すのが、 彼女たちの職場に 正社員で30代40代の女性がいない、 ということ。 そうなると、 自分は10年後にはここで働けないんだろうな、 と思って、 転職しなくちゃという気持ちになるって。 あとは、 自分はこの先主婦になって働けなくなるかも しれない。 だから早く結果を出したい。 ここで結果が出ないんだったら、 他に移ってすぐ結果を出したい。 って思うって言ってて。 女の人のほうが、 そういう仕事に対しての切迫した欲求 みたいなのはあるんじゃないかな。 |
矢透 |
男性って確かに、 決断するタイミングがないかなあ。 産休を取って、そこからまた 仕事に戻っていくのに時間がかかるから、 それまでにキャリアの足がかりを残していきたい っていうのがあるのか。 |
鈴木 |
そうだね。 |
矢透 |
男性も産休を取ればいいのにね。 ・・・でも認められないかなあ。 |
鈴木 |
いいじゃない。取ってくださいよ(笑)。 でもたまに産休を取る男の人もいるみたいだね。 記事になったりしているし。 |
矢透 |
記事になるくらい珍しいんでしょう。 |
鈴木 |
以前、スウェーデンのことを 編集部で取材している人がいて 教えてもらったんだけれど、 スウェーデンでは、男性が 最低3ヶ月は産休を取らなくちゃいけない、 という制度があるんだって。 あと、 女性が働きながら育児ができるシステムがある。 市とか区で保育所を運営しているから、 すごく安く入れる。 税金をたくさん取る分、 ちゃんと市民にバックがあるんだよね。 でも日本は、そういう制度が全然ない。 保育施設も充実していないし。 お給料によって入れるところが決まってきちゃう。 |
矢透 |
日本では そういうスウェーデンのような制度は 導入されるかなあ。 |
鈴木 |
納得する人としない人がいるからね、 どうだろう。 今の日本の保育施設は、定時までに 迎えにいけないと、夜の追加料金がかかって、 すごい額になっちゃう。 女の人のお給料が全部そっちの費用になって、 何のために働いているのかわからない、 っていう話を聞いたことがあります。 お金のことだけを考えると、 だったら働かない方がいいじゃない、 という結論になっちゃいますよね。 ・・・そう思うと日本はねー、 まだまだ女性の働く環境ではないですよ。 子供を育てて働くのなら、 おじいちゃん、おばあちゃんがそばにいる、 っていうのが必須条件かな・・・ それができないなら、 子どもは産まないという方向にいってしまう。 だから少子化が進むのも仕方がないと思う。 企業でも、 (お母さんのための)時間短縮制度はあるけれど、 それを使っている人はいないよね。編集は特に。 だから結婚して働いている人がいない、 というのもすごく納得して。 |
矢透 |
難しいなあ。 システムが整うのを待っているわけにも いかないし。 |
鈴木 |
そう、結局のところ 自分で何とかしないといけないと考えると、 よりよい職場、よりよい働き方を・・・ となり、転職になるよね。 私は今の会社には、 実際に育児のために部署異動をすることに なるのならそれで構わない、 「編集を続けるというよりは仕事を続けたいので」 と言って、入っているんですよ。 |
矢透 |
たくさんの企業が、 そういう思いに納得して、 きちんと働き続けられる場を整えてくれると、 きっとまた違うんだろうね。 難しいですね。ホントに。 今日はどうも、ありがとうございました。 |
鈴木 |
いえいえ、こちらこそありがとうございました |
今回で、鈴木恵さんとの対談は終りです。
転職の話から、話題があちらこちらに
飛びましたが、いかがだったでしょうか。
次回から、僕と同世代のカメラマン、
千野幸秀さんとの対談をお届けします!
なぜ、千野幸秀さんは
『独立』という厳しい道を選んだのか?
そのへんを聞いていきたいと思います。
乞うご期待!