鈴木恵さんと、転職のはなし。
鈴木恵さんは、僕と同世代の編集者です。
今までに、二度の転職を経験されました。
今回は、その経験をふまえて、
『転職すること』
について、じっくりと語りました。
第6回:職場を作るのは難しい!
鈴木 |
第二新卒の転職が多くなっているでしょう? それは、就職氷河期に納得いかないまま 就職しちゃった人たちがいっぱいいて、 今になってミスマッチが起きているんですよ。 企業も、その時期に人材を取れなかったから、 3、4年目の層がごっそりいない。 そうなると、ノウハウが伝承されていかない。 だから今になって門を開けている。 |
矢透 |
ノウハウが蓄積されないのは、 大きな問題だよねえ。 |
鈴木 |
そうそう。 企業は 人が抜けたらまた新しい人を 取ればいいと思っちゃってるけど、 でも新しい人が入ったら、 どんなにキャリアのある人でも、 職場によって仕事の進め方も風習も 違うから、教えることが出てきちゃう。 特に編集は、他業種や新卒の場合は いきなり入ってもできないんだよね。 前の会社では、30代後半のデスクの下が、 新卒で入ったばかりの20代前半の子たちで。 その子たちが育つには時間がかかるし、 今のデスクの次のデスクになる人がいないじゃん、 みたいな状況になってしまっていて。 |
矢透 |
それは、どこでも同じようなことが 起きているんじゃないかなあ。 |
鈴木 |
なら、なんで企業は気づかないんだろう? |
矢透 |
会社は気づいていると思うんだよね。 でも、 そういうシステムを作れないんだと思う。 |
鈴木 |
なんでなの?知りたいな。 |
矢透 |
そういうシステムを作らなくちゃいけない、 という危機感が今までなかったから、 何をどうすればいいかっていうのが わからないんじゃないかな。 しかも日々の営業をまわして、 利益を出さなくちゃいけない。 それをやりながら 新しいシステムを構築するのって すごく難しいから・・・ だからできないんだと思うなあ。 会社も社員のことを考えている余裕がない。 |
鈴木 |
プライベートな話で恐縮なんですが、 私の彼は、ちょっと考え方が違うんですよ。 「仕事にやりがいって必要なの? 仕事はやらなくちゃいけないし つらいものだから、 お金もらって生活できればいいじゃん」 っていう考え方。 とっても目からウロコというか、 たぶん現代の若者らしいと。 |
矢透 |
仕事はあくまでお金をもらう手段。 自分の生活はもっと他にある。 |
鈴木 |
そうそうそう。 自分の楽しさはこっち、 と割り切っている。 そういう人たちは、 いかに残業しないで働けるか ということに重きを置くから、 私たちが考えるような仕事の仕方とは 別の仕事の仕方をしているんだよね、きっと。 |
矢透 |
友達でもいるよ。 俺の転職の基準は、 残業があるか、ないかだって。 |
鈴木 |
それはいい悪い、という 次元じゃないんだよね。 がんばって昇給するとかいう 時代じゃないってのがわかっているから、 そういう判断をするんだろうね。 |
矢透 |
"あきらめ"ではないよね。 もっと積極的に、 他に楽しみを見出すというか。 そういう考えをする人たちがいる、 と思って職場作りをしないと、 いけなくなってきてるんだろうなあ。 |
次回、最終回です。
第7回:女性の転職理由は、また違う。
につづきます!