鈴木恵さんと、転職のはなし。
鈴木恵さんは、僕と同世代の編集者です。
今までに、二度の転職を経験されました。
今回は、その経験をふまえて、
『転職すること』
について、じっくりと語りました。
第5回:基準が自分になっている。
矢透 |
うーん、だけどイマイチ、 転職がこんなににぎわっている 本当の理由がわからないんだよね・・・ |
鈴木 |
考え方が変わってきたんじゃないかなあ。 昔は、愛社精神、この会社のお役に立ちたい という思いが強くてあって、 異動になったとしても、 それが会社の考えだから仕方ない、 って考えだったけれど、 今は基準が会社じゃなくて自分で。 今の中高生は、 もっとそういう感じ方をしていると思う。 だって 登校拒否をしている人がたくさんいるでしょう。 学校だから行かなくちゃいけない、 じゃなくて、 自分の意思で「行かない」という人たちが いっぱいいるでしょ。 |
矢透 |
確かに 「○○だから行かなくちゃいけない」 そういう考えが、なくなってきてるかなあ。 |
鈴木 |
「○○だから」が、存在する論理性が もう社会の中にないんですよね。 なぜ? なんで学校だから行かなきゃダメなの? っていう。 |
矢透 |
すでに学校さえも、行かなくてもいい、 というような選択肢ができている。 まあルール的にはオーケーじゃないんだけど 現実的にはもう 「オーケーじゃん」 みたいな空気になってきている。 |
鈴木 |
あとは 「何でもできるんじゃない」信仰というか、 自分はここに居続けなくても何でもできるんだ! という風潮が世の中に浸透している気がする。 自分探しというのはそういうことじゃない? 何にもできない自分は自分じゃない、 というような。 |
矢透 |
なるほどね。 でも僕は自分を基準にして考えると 世の中の風潮に合っているかどうか わからないけど、 俺は何にもできないから、 何か身につけないとやばい、という 危機感がすごくある。 |
鈴木 |
それはすごくまともなんじゃない? そういうふうに思う人は少ないと思うけど・・・ |
矢透 |
だから 何かしないと生き残っていけない、 という危機感がすごくあって それが若者を支配して転職に駆り立てていると ずっと思ってたの。 |
鈴木 |
いや、そんなことないと思うよー。 そんな人ばっかじゃないでしょ(笑)。 |
次回
第6回:職場を作るのは難しい!
につづきます!