千野幸秀さんと、独立について。
千野幸秀さんは、プロのカメラマンです。
年齢としては僕と同世代ですが、
選んだ道は、リスクの大きいものでした。
なぜ、独立を選んだのか?
そんなお話を聞いてきました。
第3回:今は、営業しちゃいけない時期
矢透 |
仕事としてカメラマンになるための 道のりを聞きたいんですけども、 まず、どこから手をつけたんですか? |
千野 |
SNSで、自主制作映画を撮っている人と 知り合ったんですが、 その人が、ひょんなことから 芸能プロダクションの社長に なっちゃったんです。 まったく意味がわからないでしょう。 俺もわからないです(笑い)。 でも、芸能プロダクションの社長とのコネが いきなりできちゃった。 で、 一番最初にその人から仕事をもらったんですが なぜか写真じゃなくてデザインの仕事でした。 もう、ダメ出しを何回も食らって。 もしとびこみ営業でもらった仕事だったら、 次は使ってもらえないだろうな、という 仕事ぶりでした。 |
矢透 |
その仕事は何本くらいあったんですか? |
千野 |
3本ですね。 お互い知り合って間もなかったので お試しみたいな感じですね。 ギャラをもらえたらラッキー、 というくらいの感じでした。 嬉しかったのは、 役者さんのチラシに使う写真を 撮ってくれ、という仕事が、 そこからつながったことですね。 |
矢透 |
広がってる感じがしますね。 |
千野 |
今は仕事らしい仕事っていうのが ないんですよね。でも、 今はそんなに 手広く営業しちゃいけない時期だと 思っているんです。 |
矢透 |
どういうことですか? |
千野 |
何も準備しないで開業してしまったので、 何もない状態なんです。機材がない。 今年いっぱいは機材を買う一年にしようと 思ってるんです。ガマンの一年。 だから下手に人脈を広げすぎないように。 広がっちゃうと、 稼げないじゃないですか。今は。 |
矢透 |
稼げない・・・? |
千野 |
つまり、仲のいいバンドとかができて、 そのバンドのライブを撮りに行ってしまうと、 バイトに行けない。 |
矢透 |
あー、なるほど! いま生計を立てているのは、バイトのほう なんですね。 |
千野 |
そうですね。 だから実家暮らしで、 すねかじり、すねむしりして生活してます(笑)。 |
矢透 |
だいたい、機材というのは、 どのくらい揃えれば 開業できるものなんでしょう? |
千野 |
そうですね。カメラ、レンズ、ストロボ・・・ だいたいトータルで200万くらいあれば、 問題ないという気がします。 今欲しいのは、ストロボなんですが、 ストロボというのは簡単に言うと、フラッシュです。 ただ、カメラにくっついているんじゃなくて、 独立しているんです。 今買おうと思っているストロボが11万位してます。 |
矢透 |
げげげ、11万ですか。 |
千野 |
それでも、安い方なんですが(笑)。 ただ、やっぱりどこかで 機材をそろえるのを止めるポイントを 作らなくちゃいけないですね。 ずっと山のようなバイトをやっていくわけには いかないので。 |
矢透 |
機材のためにバイトバイトじゃあ、 回らないですよね。 |
千野 |
いずれ人脈を広げなくちゃいけない時期が 来ると思うんですよね。 それまではガマンの時期かなと。 |
矢透 |
とりあえずは今はバイトで 生計を立てていると・・・ お金の問題って、でかいですね。 |
千野 |
けっこうでかいですよ。 でも、どうでもいいって 思いたいんですよ。 オカネなんてどうでもいいや、 って言えるくらい稼ぎたいんですよ。 |
矢透 |
お金なんてどうでもいい、 って言える人って、 お金を持っている人ですからね。 |
千野 |
だけど今は何をするにもお金がかかりますね。 |
次回
第4回:「自営業」だから、やるしかないんです。
に続きます!