「欲求の4タイプ」とストレングス・ファインダー(2)|資質と人格の関係とは?
こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。
前回は「欲求の4タイプ」が、人間関係を円滑にしてくれる理由について書きました。
今回はいよいよブログのタイトル通り、ストレングス・ファインダーで得られた資質と、欲求の4タイプとの関係性、そして、それぞれをどのように活用するかについて、考察を深めてみたいと思います。
ストレングス・ファインダーを活用するときに困ること
ストレングス・ファインダーのテストを受けて、自分の資質がわかったあとで、じゃあそれからどうする?と悩む人は多いと思います。僕もそうです。だいたい困るのは、こんな感じではないでしょうか。
1.「答え合わせ」に終始してしまう
「ふーん、当たってるね」で終わり。「で?」の次に何をしたらいいかわからない。
2.資質の組み合わせの「読み解き」が難しい
ストレングス・ファインダーでは、34の資質のうち、自分が持っている上位5つの資質が出てきます。どうやら、その5つの組み合わせが大事らしいのですが・・・どうかんがえたらいいか、よくわからん。
3.自分の資質がショボく見えてしまう
「戦略性」とか「着想」といった資質はかっこいいのですが、一見、地味な資質もありますよね(ちなみに、34の資質に優劣はありません)。自分の場合でいうと、「内省」ってなんかショボイ・・・もっとかっこいい資質が欲しかった・・・でテンションが下がる(繰り返しますが、全ての資質が平等であり、良い悪いはありません)
このように、ストレングス・ファインダーの結果を「活かす」のは、意外と難しいのですが、そんなときに、欲求の4タイプがヒントを与えてくれるのではないか、と思うのです。
欲求の4タイプは「OS」/資質は「アプリケーション」
4タイプについて書かれた「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人」によると、人間の人格はこんなレイヤーで構成されています。
人間の複雑性・多様性はこのような階層のレイヤー構造でできています。人間というのは多種多様でバラバラに見えますけど、それはおおざっぱに言ってこの最上層の「キャラ」から下の「欲求の偏り」まで見通してしまうからです。だから無限のバリエーションがあるように見えるのです。
でも実は「本能」はたった1種類です。みんな動物だから。 そのたった1種類の本能の上に、たった4種類の「欲求の偏り」が乗っかっている。 そのさらに上に性格が乗っていて、属性が乗っている。
「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人」
4タイプは人格の下層レイヤーを構成していますが、それを、私という人間を構成する「OS」と考えると、ストレングス・ファインダーでわかる資質は、そのOS上で動く「アプリケーション」と言えると思います。
そう考えると、アプリケーション(資質)の使われ方は、各OS(欲求)に依存するはずです。逆にアプリケーションはOSの制限の中でしか動かない、とも言えます。自分の欲求タイプと、ストレングス・ファインダーで得られた資質を照らしあわせて考えてみてください。
私、矢透泰文の場合
私の場合で言えば、4タイプは「理想型」です。自分のこだわりを形にしたい、という欲求が強い、という自覚があります。私の資質は上から
- 原点思考
- 内省
- 適応性
- 共感性
- 慎重さ
ですが、普段の思考回路や行動を思い浮かべてみますと、
- 自分の思うように、とことんまで考えたい(思考系の資質)
- 正しいと思うやり方にこだわりたい(実行力系の資質)
- 「あなたはこうあるべきでは?」ということを人に伝えたい(人間関係系の資質)
などなど、基本的な欲求のベクトルに沿って、資質を働かせている・・・と思い当たります。あなたはいかがでしょうか。例えば私の持っている資質「内省」でも、私と異なるタイプを持った人は、当然異なる使い方をしているはずです。
資質の活かし方は人格の成熟度に比例する
アプリケーション(資質)がOS(人格)に乗っかっているのならば、もう1つのポイントが
「アプリケーション(資質)は、OSのバージョン(人格の成熟度)に影響を受ける」
ということでしょう。
人格が未熟である、とは「自分のことしか目に入ってない」状態です。すると、せっかくの資質は人の役に立てることには使われず、自分を正当化したり、人を出し抜いたりと、自分に利するように使われてしまいます。
そのことに自分で気がつくのは難しいかもしれませんが、人を見るとわかりやすいでしょう。
例えば、未熟な「司令型」(人に勝ちたい)は、しきりに人を攻撃し、人の悪口を言います。自分が勝つために、人の足を引っ張ることに、せっかくの資質が使われている、ということがあると思います。
これでは、せっかくわかった資質を活かしたことにはなりません。
他人のため、社会のため、といった大きな、いわば「自分の使命」を見つけて動くと、人格は成熟していきます。そして、そのときに、自分の資質が「活かされる」ことになるでしょう。
あなたは、「自分の使命」を見つけているでしょうか?(「使命」というと大げさですが、普段の仕事でも、使命感を持ってしていることでも)見つけているとすると、自分の欲求やストレングス・ファインダーでわかる資質が、その役に立ったことはあったでしょうか?
まとめと次回の予告
今回は、ストレングス・ファインダーで得られた結果を活かすとき、自分(や他人)の欲求の4タイプを知ると、ヒントになる、というお話でしたが、今回までは、まだ「自分一人で考える」という段階でした。
前述の書籍の中で、4タイプは「社会維持のための仕掛け」と呼ばれています。つまり、人が一つの目的のもとに集まった時に、その真価を発揮します。
また、ストレングス・ファインダーも、ひとりひとりの才能を組織マネジメントに活かすために開発されたツールでした。
やはり、本当に資質を活かすためには、自分の資質を知ってもらい、人の資質を理解し合う必要があると思います。
次回は「チームビルディング」に、4タイプとストレングス・ファインダーを活かす方法について考えてみます。
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「欲求の4タイプ」とストレングス・ファインダー シリーズ (1)|なぜ4タイプは人間関係の潤滑油になり得るのか (3)|チームビルディングに役立てる