貴重な「認知資源」を節約しよう!

ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。

あまりの仕事の忙しさに目がまわりそうな私ですが、タスク管理の技術を学んでいるおかげで、少しずつパニックになる回数が減ってきています。今回は、タスク管理を学ぶ中で知った「認知資源」という考え方についてご紹介します。この「資源」を意識することで、一日の過ごし方が変わってくるかもしれません。

認知資源ってなに?

※「認知資源」は心理学、認知科学の用語らしいので、私がこれから書くことはいわゆる学術的に正しい記述ではないかもしれません。いわゆる脳の現象の「メタファー」的な要素のある話だと思ってお読みください。

認知資源とは、注意、集中、自制など、脳が活動をするときに使うリソース=「頭の余裕」を表したもの、ということらしいです。つまり認知資源は仕事を進めるうえで大切なもの、いや、原動力そのものです。メールを書く、電話をかける、資料を作るためにエクセルを開く・・・その全て、一つ一つの活動で、脳が「認知活動」を行わないものはありませんから。

しかし、認知資源は残念なことに、一日の始まり(起きてから)をピークとして減る一方で、眠らないと回復しないそうです。
朝から仕事をしている場合、夜になればなるほど注意力が散漫になり、集中力も枯渇していくのがわかります。私の場合はあからさまに肉体的な疲労となって表れます。



言うなれば、私たちは穴の空いたバケツを持っているようなもので、水=認知資源が空っぽになってしまったら、実質その日はもう仕事はできない、と思って間違いないでしょう。

そこで、仕事を効率的に、余裕を持ってやるならば、バケツの穴をできるだけ小さく、貴重な認知資源を節約するように心がけなければいけません。

認知資源を節約するって、具体的にはどうするの?

認知資源の節約こそ、「タスク管理」の大きな役割の一つです。脳が認知資源を特に多く使う以下の場面をあらかじめ知って、事前に準備しておくことでバケツの穴を少しでも小さくできるでしょう。

やるべきことを記憶しないといけないとき

買い物メモをもたずに買い物をするようなときです。脳は「必要に応じてすぐに使えるように物事を覚えておく」ようなことをするとすごく疲れます。認知資源をがんがん使います。

覚えておきたいことはメモに書きましょう。予定ならば手帳に書きましょう。メモを持っていれば、記憶を脳にためずに済むのでだいぶ楽になるはず。やるべきことを書いたTodoリストとは、つまりこのメモのことです。

何かをやるために手順を考えるとき

すごく散らかった部屋を掃除をするときに「まず床を片付けて、それから軽く掃除機をかけて・・・」など、いちいち「次に何をするか」を考えないといけない状況を想像してください。疲れませんか?仕事でもそうですが、ひとつのタスクを達成するのにも、複雑な手順や選択肢があり、いちいち次の行動を考えていては、認知資源はいくらあっても足りません。

そんなときの対策としては、事前に手順を考えて「行動リスト」を作っておくだけでもちがうでしょう。それを見ながら行動すれば良いので、手順を考えるという手間が省けます

自分にとって非常に面倒なタスクに取り組むとき

これは説明も不要だと思いますが、そういうときです。「面倒だな〜」と思うタスクをやらなければいけない、と思うだけでも認知資源はダダ漏れしてしまいます。

タスクが大きいときは「タスク分解しよう」とよく言われますが、タスクを取り組みやすい大きさに分解することは認知資源の節約のためです。「面倒だな〜」が「これならできるかも」に変わることで、タスクに取り掛かりやすくなりますね。

まとめ。自分の頭を無駄遣いしない!

私たちは、自分や、自分の頭を過信してはいないでしょうか。「これくらいなら覚えていられる」とか、「やる気を出せばできる」とか。でも、一日の終わりになってすっかり疲れきって、頭がぼうっとして、それでもやらなければいけない仕事がたまっているときの絶望感は筆舌に尽くしがたいものです。それは、自分の頭を過信しすぎたために、「認知資源」を無駄遣いした結果かもしれません。

私たちの頭は情報をためておいたり、ためた情報を使うために引っ張りだしてきたり、適切な順番に並び替えたりするには向いてないみたいです。それを知るだけでも大きな一歩だと思います。限られた認知資源を有効に使えるよう、もうしばらくタスク管理の技術を学びたいと思います。

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