「欲求の4タイプ」とストレングス・ファインダー(1)|なぜ4タイプは人間関係の潤滑油になり得るのか
こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。
先日より、ストレングス・ファインダーで得られた資質をどう活かすか?について考えているのですが、ふと思い立って、岡田斗司夫さんの著書「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人
」を読みました。
「欲求の4タイプ」については以前から知っていたのですが、「ストレングス・ファインダー」を知ってみると、その関係性が興味深く思えてきたのです。
そこで今回から、「欲求の4タイプ」と「ストレングス・ファインダー」の関係について、数回にわけて考えてみようと思います。
今回はまず「欲求の4タイプ」について考えます。
「欲求の4タイプ」は、単なる性格判定や占いと異なり、人間関係の潤滑油となり得ると言われています。それはなぜなのでしょうか?
そもそも「欲求の4タイプ」って何?
「欲求の4タイプ」とは、人間を「欲求の偏りから4つに分類したもの」です。
その4つとは以下のとおりです。
- 「注目型」(目立ちたい。人から好かれたい)
- 「司令型」(競って勝ちたい)
- 「法則型」(理解したい)
- 「理想型」(自分のこだわりを形にしたい)
また、4つの関係性は下の図のように表されます。
4タイプの判定自体は無料でできますので、こちらからテストしてみてください!
(ちなみに私は理想型でした)
異なるタイプの人間のことはわからない
「欲求の4タイプ」には、いくつかの法則がありますが、その中でも重要なのが「対角線の法則」です。
上のグラフの対角線のタイプ同士は、お互いの欲求はほとんど理解できない、という法則です。
例えば、理想型は、司令型の「勝負へのこだわり」を理解できませんし、逆に司令型は理想型の「自分の物差しが絶対!それ以外は認めん」という頑固さが理解できません。
人は日々、いろんな人間と関わり合って生きている。その中でどうしても、相手が自分の『理解を超えた』部分を持つ生き物であることを思い知ることになる。
(「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人」)
一見すると、なんとも悲しい話のように聞こえますが、そうではありません。
「わかりあえない」ことが「わかる」
ということこそが、人間関係を円滑にする第一歩なのです。
みんなが自分と同じ欲求を持っているわけではない。そして、その人の欲求を自分は一生理解できない、というタイプの人も存在する。ここまで理解すると、人間関係が少しクリアにならないでしょうか。
「4つのタイプ」は、自分の理解であり、他者の理解にも役に立ちます。それは「すべて分かる」ではなく「分からない部分は絶対にあるから、気にしなくてもいい」という限界線を私たちに示してくれるからなのです。
(「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人」)
ちなみに、対角線上のタイプ同士は「わかりあえない」のですが、人間関係が長続きするのは、対角線上のタイプ同士、というケースが多いのだそうです。
欲求が重ならないために、お互いの欠点を補い合うから、という理由だそうですが(理想型の宮崎駿監督と、司令型の鈴木敏夫プロデューサー)、いやはや人間関係は深いですね・・・。
わかりあえないことからコミュニケーションをスタートさせる
「欲求の4タイプ」を読んでいて思い出したのが、平田オリザさんの著書「わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か」です。
従来、私たちは「心からわかりあえる」関係を目指すことが美徳と教えられてきました。しかし現在のコミュニケーションは
「もはや私たちはわかりあえない」
という前提からスタートするべきだ、というのが本書のテーマです。
私たちは、「心からわかりあう関係を作りなさい」「心からわかりあえなければコミュニケーションではない」と教え育てられてきた。しかしもう日本人は心からわかりあえないのだ......(略)
この点が、いま日本人が直面しているコミュニケーション観の大きな転換の本質だろうと私は考えている。 心からわかりあえることを前提とし、最終目標としてコミュニケーションというものを考えるのか、「いやいや人間はわかりあえない。でもわかりあえない人間同士が、どうにかして共有できる部分を見つけて、それを広げていくことならできるかもしれない」と考えるのか。
(わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か )
「心からわかりあう、ということは、ない」というスタートラインに立つと、「相手に対してこちらの意思を伝えるにはどうすればいいか?」という現実的な解決策を考えることにつながります。コミュニケーションへの過度な期待、幻想はなくなり、方法論の集積となります。
シンプルで、かつきちんと機能する「コミュニケーション」は、人間関係を円滑にしてくれるのではないでしょうか。
「欲求の4タイプ」と「わかりあえないことから」では、わかり合えない、ということの文脈が微妙に異なるのですが、「わかり合えないこと」をコミュニケーションのスタートラインにしよう、という主張は共通しています。
まとめ、そして次回以降の予告
「欲求4タイプ」の仮説によると、この欲求の4タイプは、人間の「人格」を構成するレイヤーのうち、最下層の「本能」の次に来るくらい、根源的なものだそうです。
4タイプを、私たちを動かす「OS」と考えると、ストレングス・ファインダーでわかる資質たちは、「OSの上で動くアプリケーション」といえそうです。
次回は、いよいよ「欲求の4タイプ」とストレングス・ファインダーの関係について考察してみましょう。
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「欲求の4タイプ」とストレングス・ファインダー シリーズ (2)|資質と人格の関係とは? (3)|チームビルディングに役立てる