仕事における失敗には、2パターンある!

こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。

このところ「失敗」について考えています。今年に入ってから、仕事において人生を考えなおすほどの大失敗をしてしまいました。社会人としての自分の価値を疑ってしまい、あやうく人生を自分で終えてしまうところでした。

その失敗については思い出すだにゾッとしますが、その経験から、失敗をいかにリカバリするか、ということをいろいろ考えました。

そして、仕事における失敗には2種類あることがわかったのです。

Swallowed In The Sea
Swallowed In The Sea / KellyB.

仕事における失敗には2種類ある

最近、「失敗」ということを肯定的に捉えようとする風潮があるように思います。それは社会の意識の変化があり、失敗しないことより、むしろ動かないことで失敗しない、ということのほうがダサいという認識ができてきたことによると思います。

この本でも書かれていますが、失敗は避けるものではなく、いかに次に活かすか?ということが重要だというのです。

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一口に失敗といっても、単純な不注意からおこるミスから事業損失まで、レベルは違うが、どれも仕事をしていく以上、避けられないものなのである。だから、失敗を避けることばかりを考えてもしようがない。どれだけ入念に準備をしても、失敗するときはする。要は、その事実を認識した上で、失敗に直面したときにどう次につなげられるかが重要なのだ。
(世界のエリートの「失敗力」)

しかし、どう考えても前向きに考えられない、しょぼくてみじめで、死にたくなるような失敗があるのです。それはどういうことだろうと考えると、仕事における失敗には、2種類あるということがわかりました。

それは「しなかったことによる失敗」と「したことによる失敗」です。

「しなかったことによる失敗」とは何か?

「しなかったことによる失敗」は、「必要な準備をしなかった」とか「事前に話を通していなかった」とか「すべき仕事をしなかった」、という種類の失敗です。

この種類の失敗の特徴としては「自分では気がつかない」「人から指摘される」「そしてだいたい怒られる」ということです。

この失敗の厄介な点は、「なぜ失敗したかわからない」というケースが多いことです。一つ一つのケースに関して、「失敗してしまった」という事実だけはわかるのですが、それがなぜ起こるか?という理由がわからないのです。

「しなかったことによる失敗」は根深い

当事者である私が断言しますが、それは本当に根深いと思います。もしかすると、その人の性格とか、脳の構造とか、心の病とか、そういうのようなものかもしれないのです。

とはいえ仕事で失敗ばかりしているわけにも行かないので、対策は立てます。例えば、注意すべきことをチェックリストにするなど。

しかし恐ろしいことに、その失敗のパターンは、あるゆるところで噴出してくるのです。「しなかったことによる失敗」を100%克服することは不可能です。

したがって、「しなかったことによる失敗」を回避することに時間を使うことは、結果的にムダに終わり、人生を損なってしまいかねません。

「したことによる失敗」は健康的

もう一方の「したことによる失敗」とは、「新しい事業にチャレンジして失敗した」とか「企画を上司に提案したけど却下された」とか、行動したことによる望んだ結果が得られなかった、という失敗です。

それは多くの場合、自分のやりたいこと=欲求にしたがって行動が起こされます。結果、望む結果が得られなかったとしても、次の選択肢を選ぶ余地が生まれます。

よく、失敗を肯定する文脈でエジソンのいう失敗の名言が引用されますが(「わたしは、今までに、一度も失敗をしたことがない。
電球が光らないという発見を、今まで二万回したのだ。」など)は、この「したことによる失敗」を指しています。

「したことによる失敗」は、評価されます。また、何度やってもよいものです。だから繰り返しても、めげることはあるかもしれないにせよ、前進はできるのです。

さらに大事なのは、その行動が「自分の欲求にもとづいている」ということです。「これがやりたい」というモチベーションは、(その中身はなんであれ)健康的です。

「しなかったことによる失敗」は切り捨てるべき

「しなかったことによる失敗」が、基本的に減点法であるのに対し、「したことによる失敗」は加点法です。

「したことによる失敗」がその人の価値や評価を上げていくのに対し、「しなかったことによる失敗」は、克服するための努力が評価につながることはありません。真面目にやればやるほど、損をするシステムになっています。

以前まで、私は「しなかったことによる失敗」を克服することを考えてきました。しかし、もういい加減あきらめることにしました。

どうしてもうまくいかないこと、何度やってもしてしまう失敗は、もういっそあきらめましょう。あきらめて、自分の欲求にもとづいて、自分のやりたいことを、勇気を持って行動に起こす方向にかじを切ったほうがいいと思います。

自分のやりたいことがある人には、説得力が出ます。仕事において、複数の人をまとめたり、引っ張ったりするためには、「説得力」がものをいいます。「この人にはついていこう」と思わせる何かです。

それがどこから来るか?というと、自分のやりたいことをやっているかどうか、心の欲求に従っているかどうか、ではないでしょうか。

「しなかったことによる失敗」を恐れるあまり、延々と「注意すべきリスト」を眺め、いかに自分の点を減らさないかに心を砕いていると、心が弱っていきますし、最終的に人生をゴミ箱に捨ててしまいかねません。それは恐ろしいことだと思いませんか?

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