メディアは進化する。ラジオも例外ではない!

こんにちは。ヤトミックカフェ運営人の矢透泰文です。

今回はラジオの話です。

ラジコプレミアム」が始まっております。全国の民放ラジオがインターネットで聴ける(課金制。しかも一部の局を除く)のが売りですが、果たして盛り上がっているんでしょうか。どうなんでしょうか。

私はラジオが好きです。好きだから、できるだけ今の好きな形のままで続いてほしいと思っています。

でも、今は人口も減っているし、スポンサーも減っているし、ラジオにとっては厳しい時代のようなので、心配せざるをえないのです。

ただ、考えようによっては面白い時代だとも言えます。今がいろいろなメディアにとって大転換期なのは間違いないからです。ラジオはこの波を乗りきっていけるのでしょうか。例によって、誰にも頼まれていないのに勝手に考えてみました。



Social Media apps
Social Media apps / Jason A. Howie

「ソーシャルラジオ」の登場は時間の問題。そして何が起きるのか?

「Radiko」の登場が象徴的ですが、ラジオはアプリ化してしまいました。主戦場は今後、インターネットに移っていく、という話は以前にもしました。

デジタルの世界に行ってしまったラジオというメディアは、今後どうなっていくのでしょうか。

以下の記事では、アメリカのテレビの事例を取り上げていますが、「ソーシャルテレビ」というキーワードが取り上げられています。

ソーシャルテレビ
番組の内容に関連するコミュニケーションや、ソーシャルメディア上での相互作用のこと

とありますが、テレビ番組を見ながらつぶやいて、同じ番組を見ている人とやりとりしたり、という行為はだいぶ一般化しました。ニールセンではTwitterでのつぶやきを、視聴率と同じようにテレビの評価の指標として用いているそうです。

ラジオにおいても同じようなことが起こる(もしくはすでに起こってる)と思います。

ラジオを聴きながらTwitterでつぶやいたり、聴いたことを検索したりすることは当たり前になりました。その上で、ラジオが「Radiko」というデジタルアプリ化を果たしました。

すると、どうなるのでしょうか?

「番組を聴いてから、インターネット上で何を見たか、何をしたか」というリスナーの動きが、まるごと記録に取れようになります。

例えば、ラジオショッピングを聴いたリスナーが、Amazonで検索して、価格ドットコムで値段を比較して、ネット通販で買った・・・という動きがすべて追えるわけです。今の技術ナメんな。ということです。怖いですね。

怖いですが、現在の、アンケートに頼ったあいまいな指標「聴取率」よりも、100倍正確なデータが取れます。

「ソーシャルラジオ」は技術的にはすでに可能なのではないかと思います。登場は時間の問題です。あとはラジオというメディアがどれだけスポンサーにとって「旨みがあるか」というやらしい話があるだけで・・・

でも「ものを売るためのメディア」としてのラジオなんて・・・

ラジオというメデイアをマーケティングに活かすために、必要なデータはもれなく取れるような環境が整ったわけです。データを取って、ものを売るためのメディアとして、どんどん最適化していくことができます。すごいことです。

・・・ただ、「そんなラジオって面白い?」というのは、また別の話ですね。

ラジオが「単にものを売るために最適化したメディア」になったら、クソつまらないに決まっています。ラジオの未来は灰色です。

しかし、私たちも、マーケターも、メディアに携わる人も、みんなバカではありません。そんな「売らんかな」のメディアがクソつまらないのは知ってます。クソつまらないメディアには人が集まらないことも知ってます。人が集まらないことには、そもそも売り買いは始まりません。だから面白いメディアである必要性はあります。

面白いこと、人が集まることは相変わらずメディアにとっては至上命題でありつづけるのです。

みんな試行錯誤している。ラジオだって例外ではない。

いま、インターネットでも、「人が集まる面白いメディア」をどう作るかについて、試行錯誤が続けられています。

企業が自前でメディア(オウンドメディア)を持とう、という動きが増えています。ブログを立ち上げたり、動画を配信したり、といった試みをする企業も増えてきました。

「オウンドメディア」の難しさは、「売らんかな」のメディアは人気が出ない、ということです。企業の商品を売るための宣伝ばかりのメディアは、単純にクソつまらないのです。

でも、「売らんかな」の狙いを忘れたら、企業のメディアとしては成り立ちません。「売らんかな」でなくても、ホンネとしての目的はあるはずです。

ホンネの目的・狙いを背後に残しながら、その気配を消し去って「面白い」メディアを作る・・・成功している企業もありますが、すごーく難しい試みです。成功の方程式はありません。頭をつかうしかないです。論理でなく、ひらめきとか、エモーショナルな部分が大事だったりします。

最先端であるはずのインターネットでさえそうなので、テレビも、当然ラジオもそうでしょう。メディアが存続するために、今はみんな試行錯誤しています。

だから面白い時代だなーと思うのです。

-ラジオの話