【第7回】
うちの脚本は、アテ書き* なんです。
*役者に合わせて脚本を書くこと
うちの作・演出家は、役者のキャラクターの一部分を
すくい上げて、ふくらませて、ありえないキャラクターに
していく、ということにかけて、天才的にうまい。
だから脚本と役者、どちらが欠けてもダメ。
「皆さんキャラがいいですね!」とよく言われます。
劇団の最終形は、イメージできています。
劇団っていうのは、それぞれに「シリアス系」とか
「お笑い系」とか、カラーが出てきてしまうもの
なんですけど、
「何でもできる、いろんなことができる」っていうのが、
俺のイメージする劇団の最終形なんです。
うちの劇団はメッセージ性があるわけではなくて、
エンターテインメントとして、観ている人が
「面白かったな」と思ってくれれば良いと思っています。
提示するものの対価としてお金をもらうんだ、という
シビアな姿勢は、最初からありましたね。
よく、自分の世界観を表現したとか言って、
「わからない奴はダメだ」
という姿勢の人がいますが、伝わらないものには、
意味がないと思いますね。
(つづく)