【第4回】
企業に企画を持っていったり、というアイディアが
出てくるのは、普段から
「こんなことをやったら面白いんじゃないか」
ということを、
いつも考えているからですね。
1つの公演に、3ヶ月の準備期間を設けて、
公演期間は1週間というのは、効率が悪い。
だから、「公演で儲けよう」という気はないんです。
公演はあくまで表現の場でしかない。
公演は劇団の核ではあるけれど、公演を打っているだけ
では、劇団は枯渇してしまいます。
現在、劇団員が支払っているノルマを、
ゼロにする、という目標もあります。
お金を払わなくても公演をどんどん打っていけるだけの
客数を呼べるようにする、ということです。
公演を行うのに、今の規模で、200万ほどかかっています。
チケット収入が、1500円×600人、くらい実績があり、
大体120万くらい入ってきています。
残りを劇団員のノルマ、都の助成金等でまかなっています。
公演で儲ける気はないですが、1200人以上お客さんが入れば、
利益が出る計算になります。
チケット代を上げる、という選択肢もありますが、
演劇というのを、知らない人が多いでしょう。
映画でさえ1500円取られるのに、まったく知らないものに
1500円以上は出さないだろうと。
よく学生演劇で、入場料が高くて
「良いものを出してお金を取るんだ」
という人たちがいるけれど、そんなに高いお金を取れるほど
良いものであるわけがないんです。
まず観てもらって、面白かったらお金を出してもらう、
という低姿勢がないと、誰も観に来てくれないでしょう。
まず観に来てもらうことで、価値を認めてもらう。
だから低価格でやっていきたい、チケット代を上げるつもりは
ない、そうすると動員を上げるしかなくなります。
そのためには公演数を増やさなくてはいけなくって、
そのために小屋を変えなくてはいけない・・・となって、
結局利益は出ないんです。
だから、公演以外のところで、お金を儲けていくことが
重要になってくるわけです。
(つづく)