セカンドシーズンがスタートだ!

山のようなお金が欲しいわけじゃない。
でもお金との付き合い方は、考えたい。

お金に消極的な青年よ、大人になれ!


セカンドシーズン第16回:2010/09/06

持ちのお金が足りない場合
お金を借りる、という手がある。


どうも僕の頭の中では
「お金を借りるのは悪いことだ」
という意識が強い。

違法のヤミ金で、身を持ち崩す、
借りた金でギャンブルにハマる、などの
定型的なイメージがあるためだろう。

でも、家を買うときにはローンを組むし、
クレジットカードも広義の借金だ。
新規に事業を興すときには、
銀行から融資を受けることもある。

借金は、良いことでも悪いことでもなく
お金の使い方のひとつに過ぎない。


借りたお金に利子をのせて返す
「借金」という仕組み。
お金の複雑さは、その仕組みにから始まる。
そんな気がする。

お金を貸したい人がいて、増やしたい人がいて
お金を使いたい人がいて、借りたい人がいて。

人の欲望のあいだを、お金は行き来しながら
増殖していく。


僕は、お金のそういう複雑さが苦手だ。
いっぽうで、その複雑さを手玉に取るのではなく
その複雑さに自身も絡み取られながら、
眺めて生きた人もいる。


生涯、借金と付き合いながら生きた作家
内田百けん先生。

内田百けん先生の随筆を読むと、
借金というのが、人間の逃れがたい「業」の
成すわざであると感じられてくる。

あえて借金するほどに、お金と深く付き合えば
見えてくることが、世の中には確実にある。

それを見たいかどうかは別として。

(つづく)