セカンドシーズン第15回:2010/07/05
消
費、
つまりお金を使うことは、
実は、心の健康につながっている。
お金を出して何かを手に入れる。
欲しかったものを手に入れる。
気に入ったものを何か一つでも買ってみる。
買い物とは、驚くほどの充足感を、
自分にもたらしてくれる。
植草甚一氏がそのエッセイで大いに
書かれているように。
消費とは、ただ、ものを手に入れる
というだけではなく
精神的な自由をもたらしてくれる行為だ。
お金を何に、どのように、いくら使うのか。
それを決めるためには、
自分の欲望としっかり向き合う必要がある。
つまり、
自分の心の有り様と、深く向きあうことだ。
心の自由とは、自分の心の動きを知り
それに付き従うところから、生まれるのではないか。
・・・
しかし、当然ながら、お金がなければ
それは叶わない。
心の欲望は、お金が無いことで抑圧され、
精神の自由は損なわれることになる。
貧乏が恐ろしいのは、そうやって人間の尊厳が
少しずつ削られていくところにある。
そこで、もうひとつの選択肢が現れる。
「借金」ということだ。
(つづく)