セカンドシーズン第3回:2009/12/06
千
円を自由に使うことにしよう、
と、考えるとワクワクした。
私の金銭感覚は、
「千円を自由に使えるとうれしい」
というものだ。
千円から上はもう、一万円も、百万円も
あまり違いがないような気がする。
考えたくないし、数えたくない。
恥をしのんで告白するが、
僕はお金に関しては、白痴も同然である。
叱られることを承知で書くが
僕は、四十万円で買った楽器を
まるで使わず放置している。
さらに、数万円で申込んだ通信講座を
ほぼ投げ出している。
そしてそのことに、何の焦りも
感じていないのだ。
ああ、我ながら何たることだろう。
そのくせ、
手元からお金が無くなるのが死ぬほど怖い。
お金が無いことで、行動の自由が
失われるのがなにより恐ろしい。
先日、それを実感する事件が起こり、
僕はパニックになったのだった。
(つづく)