純粋な悪意の王国
「純粋な悪意の王国」
というものがある。
その王国の王さまの目的は
「国民を苦しめたい」
ということだけだ。
「あいつらを苦しめてやりたい」
王さまの純粋な悪意によって
国民は
傷つけられ、殺されたりする。
理由なんか、あって
ないようなものだ。
ただ、純粋な悪意だけが、
絶対的な力を持っている。
そんな王国がある。
・・・
2007年12月に
無差別銃撃のニュースが流れる。
突然、
人が命を奪われる。
日常がぶったぎられる。
銃を持った王さまが、
「人を傷つけてやりたい」
という純粋な悪意だけを持って
抵抗できない人たちを、傷つける。
・・・
例えば
原理主義のテロリストのように
自分の命も構わずに、
ただ悪意だけを貫こうとする
人間とぶつかってしまったら。
あるいは
いじめの現場で、単なる自分の
楽しみのために
悪意を行使する人間に
ぶつかってしまったら。
力のあるものから、ないものへの
一方的な、ディスコミュニケーションの
暴力に対して、いったい
何ができるというのだろう。
「純粋な悪意の王国」
が、世界中あらゆるところに
存在している。
僕は怖くてたまらない。
それを、
「あってもよいもの、
やむを得ないもの」
と思わせるような価値観は、
全部、まやかしじゃないか。