色落ちとは、「衣服や布地などの色が落ちること。」
はじめは色鮮やかだったものが色あせていく、とは、
まるで人の記憶のよう。
狭い部屋にあふれている、一つ一つの「もの」と、
その記憶を綴ります。

枕の話


僕は枕を二つ持っている。
一つは実家から持ってきたもので、
もう一つは自分で買ったものである。

体に合わない枕を使うと、良い睡眠が
得られないという。

枕が頭が合わないのかな・・・?
と思うことが、最近多くなった。
頭の下の枕の位置が、どうもしっくりと
いかない気がする。

でも、 どちらの枕も、使いはじめてから
相当の年月が経っている。
今更「合わない」と言われても、さぞかし
枕のほうは困惑することだろう。

あるいは、枕というものは、年月と共に
どんどんと取り替えていくのが正しいのかもしれない。

そう考えてみると、どうも枕にはそれほどの
思い入れもないような気がしてくる。

使うのは当然寝るときだから、思い出が
できにくいのだろうか?

僕と枕とは、かくもドライな関係なのだが、
いまのところ新しいものも買っていない。