空き地で遊べない奴は、どこでも遊べない。
これは、とある人に聞いた『空き地理論』。

何をしたって、どこを見学したって、楽しさを見つけよう。
空き地でも堂々と遊べるような大人になろうじゃないか。

甘味男子・前編


(写真:内野 秀之)

ここ数年、女性が一人で入れる店が増えた。
牛丼屋やラーメン屋で、女性が一人
食事をしていても、違和感がなくなった。

逆に、男子はどうだろう。
未だに「男子禁制」の場所は多い。

その一例が「スウィーツ」だ。



いちど足を踏み入れようものなら、

「スウィーツは、乙女の領分じゃないの!
男が踏み入れるなんて、汚らわしい!
入っていいのは、 假屋崎先生くらいよ!」


と、集中砲火を受けるのは必至。

恐ろしい場所ではないか!

でも世の中には
「スウィーツ好きの男」だっているだろう。

「好きなものを好きと言える気持ちを
抱きしめられない」
これを許していいのだろうか?

ノーだ!!!!

マキハラ先生もノーというはずだ。(たぶん)

僕は、今回、そんな状況に対して
勝手に宣戦布告を試みることにした。


僕はお酒が飲めない。
だから酒場だとか、そういう場所には、
行きたくても行けない、悲しい運命だ。

僕も、一人でぶらりと入れるような店が欲しい。

僕は甘党ではないけれど
あんみつなど、甘味が好きだ。
だから、甘味どころにぶらりと入れたら
どんなにいいだろう。

・・・でも、男だけで行くには勇気が要る。
なぜなら、そこは「スウィーツ」の領分、
男子禁制の匂いがするからだ。

しかしあきらめきれない。





よし、いっちょ行ってみよう。
実際に、冷たい視線にさらされるものか
試してみたい。

少しばかりのMっ気も混じりながら
僕は二人の友を引きずり込むことにした。
スズキDと、写真家の内野氏である。



スズキDは、インターネットラジオなどで
お世話になっている、頭のキレる男。

そして写真の内野氏はいぜん
「ある夏の日」
というコンテンツで、写真を担当してくれた
正真正銘、プロのカメラマン。
今回、このしょうもない企画で、すばらしい腕前を
惜しげもなく披露してもらった。

二人には、感謝の気持ちでいっぱいだ。

今回乗り込んだのは
「紀の善」
という、神楽坂にある有名な甘味どころ。

男子禁制の空気におののきながら到着。
集合は、祝日の夕方の四時だったのだが、
店の外まではみだす長蛇の列!



そのあまりの人気ぶりを見せつけられ、
僕たちは早くもビビってしまった。
しかし、ここでふんばらねばダメだ。
勇気を奮い起こして並ぶことにする。



(いざ、甘味どころへ! 後編につづく!)