プロレス語り編:第4夜
プロレスラーは、相手の技を受けなきゃいけない。
息の根を止めるわけではない。
たとえば、猪木は、相手の技を受けて受けて・・・
最後の最後に勝つ、という逆転劇をよくやる。
観客は逆転劇に興奮する。
つまり、プロレスは、満足度を人工的に生産することができる。
スポーツなら、逆転はたまにしか起こらないし、
たまに起こるから、その興奮はマンネリにはならない。
でも、プロレスは満足や興奮を人工的に作ることができるから、
必殺技は、どんどん「必殺技」ではなくなっていく。
技を繰り出す方も、新しい技をどんどん出していくようになる。
これを俺は"技バブル"と呼んでいるんだ。
技を出して出して、受けて受けて・・・という状態。
90年代の半ばくらいかなあ、
技が急激に増えた。
高いところから、体操選手のように落ちてきたり、
相手を高く持ち上げて落としたり、
これはダメージがでかいな、という説得力のある
技がたくさん出てきた。
でも、やっぱり観る方は慣れてしまうんだよね。
(つづく!)