第16回:魔物とコンプレックス。
い
ったい、お金とは、何なのだろう?
どうして、僕は、
苦手なお金にこだわるのだろう?
お金とは
拡大された自我ではないか!?
例えば、あなたは
洗濯機の使い方を知っていますか。
それを知らないことで
コンプレックスを抱いたり、しますか。
おそらく、まあ、しないだろう。
お金の使い方を知っているか。
どうしたら、お金がすぐに
なくなってしまわないか、
賢い使い方を知っているだろうか。
どうしたら、お金が株やら信託やらで
バシバシ増えるのか知っているだろうか。
僕は知らない。
そしてそのことに、
コンプレックスを抱く。
お金の使い方、という言葉には
『知っているとエライ』
というプレッシャーがかかっている。
それを知らないのは損だ、恥だ
と感じなくてはいけないような
何かしらのプレッシャーがある。
(僕だけか?)
お金には、
よくわからない魔物がすんでいる。
ただの紙切れと金属片が、
価値という幻想を与えられて流通し、
僕たちはそれを
もらったり使ったり奪ったりする。
(次回、いよいよ最終回!)