12:対抗馬、あらわる!

今回の買い物はちょっと、
順調に行き過ぎるなと感じていた。

Macを買いたい!
などと書いている時点で

決めてんならさっさと買えばいいじゃん!

みたいな空気が流れていた。
対抗馬もなく、なかば出来レース気味だった。

ここに、一人の女がいるとしよう。
女は、ヒロシという男と付き合っている。

ヒロシは公務員。生活は安定している。
しかも
ヒロシの実家は不動産を持っていて
やがて不動産はヒロシのものになる。

女にしてみれば、ヒロシで満足。

そこに。


対抗馬タケシ現わる。


「自分、山持ってますけど」

山!?

「マツタケごっつ生えてますけど」

マツタケ!?

「自分、公務員ですねん」

嗚呼、ヒロシとタケシ。
公務員と、不動産。

違いのわからない男、ヒロシとタケシ。

・・・
と、そんな具合に
(どんな具合って・・・そんな具合ですよ)

もはや、購入確実かと思われたMacに
まさかの対抗馬が現れたのだ!

その対抗馬とは
SONYの 「VAIO typeC」 である!

※SONYはちょっと前まで犬を作っていたが
今は犬を作っていないらしい。別にいいけど。

しかしなぜ、
VAIO typeC(長い名前だな)が、急に
Macの対抗馬に躍り出てしまったのか?

理由は、VAIOのキーボードにあった。

よく見るパソコンのキーボードは、
ボタンがところせましと肩をくっつけて
並んでいる。

凸凸凸凸

ところが、MacBook
(僕がほしいと思っていたMacのノート型)
のキーボードは、ボタンのひとつひとつが
離れて独立して配置してあるのだ。

_凸_凸_凸_凸_

見た目として、僕は後者のほうが好きだ。
すっきりしてる。

やっぱり、Macは格好いいな!

などと、手放しで賞賛していたところ

同じキーボードの仕様を、VAIO typeCが
採用していたのを発見してしまった。

まず見た目から入る私にとって、
同じ見た目のものが、二つ出てくれば
当然、迷っちゃう。困っちゃう。

山本リンダ状態である。

・・・
ああ、ヒロシとタケシ。
違いの少ない二人。
愛する二人、別れる二人。

うーん、悩む。

・・・まだこのとき、僕は知らなかった。

これがキーボードだけに終わらず
「Mac派」と「Windows派」の宗教戦争に
足を踏み入れようとしていることを!

(つづく)