カーテンの話
カーテンというのは、不思議なモノだと思う。
カーテンを窓にかけるだけで、殺風景さが減る。
けれど、僕が使っているカーテンは、はじめから
カーテンとして使われてはいなかった。
僕が住んでいたアパートは、廊下側に大きな窓があった。
窓寄りに机を置いていたため、机に座っていると、
廊下から、隣の住人が、こちらの窓をチラッと見るのが
わかった。
すりガラスだったが、プライバシーがない感じで嫌だった。
そこで、布生地が売っている店に出かけ、出来合いの
(長さの調節がきかない)カーテンを買ってきた。
青色である。
それを横向きにして、窓を内側からばっさりと覆って、
外から中の部屋が見えないようにしたのである。
カーテンに対しては、本来の用途とはちがう使い方をして、
申し訳ないことをしたなあと思う。
今の部屋に移って、きちんとカーテンとして使うことにした。
出来合いのものを適当に買ってきたのに、長さがきちんと
合ったのには、びっくりした。