はじめてのカフェに入るときの緊張を、
なんと例えたらよいのだろう。
しかし、勇気を出して悪いことはない。
思えば、
名前こそ知っているが、行ったことのない
カフェがたくさんある。
カフェは、寺である。
カフェは、体験しなければ意味がない。
僕は、カフェを参詣することにした。
2007年、新年明けて一発目の参拝。
カフェサンケイスト
(産経新聞の信奉者ではない)
にとっては、初詣も同然。
気合を入れてのぞみたい。
今回は、カフェの激戦区、高円寺にある
『HERE WE ARE marble』(ヒアウィーアーマーブル)
を参詣しようと思う。
それにしても、このカフェには、今までに
二度ほど拒まれている。
というのは、
昨年11月にはじめて訪れたときには
あまりのお洒落さ、可愛さに男一人の僕は恐れをなし、
すごすごと逃げてしまった。
12月30日に行ったときには、閉まっていた。
そしてようやく今回、
覚悟を決めて営業中に参詣することができた。
このお洒落さ。どうですか。
この門を叩くのにチュウチョした、
僕の心を汲んでいただきたい。
勇気を出してドアを開け、
店を大きく横切るカウンターに座る。
お洒落お洒落と言いながらも、地元密着型のカフェを
目指しているということで、スタッフの応対はとても
にこやかである。
メニューにはお酒や食事も並んでいて、
ナイトライフにも、もってこいのようだ。
食事を食べている人もけっこういた。
僕はおなかが空いていないので、飲み物だけ。
しかも、お酒が飲めないので、
ソフトドリンクを飲みたい。
『プレーンチャイ』を注文する。
ミルクティーの一種だけれど、
シナモンが効いていて、とてもさわやか。
ヨーグルトのような口当たりだ。
ちょっと緊張がほぐれてきたので、
辺りを見回してみた。
大胆にカットされた壁と窓。
そこから通りを眺めていると、日曜日が
ゆっくりと暮れていくのがわかる。
今度来るときは、何人かで入り口の席に
座ってみたい。
丸い窓がかわいい。ポップだ。
外も店の中も夕方である。
ちょっと最初は気おくれしてしまったが、
入ってみるとやはりそこはカフェ。
日曜日をじっくりと過ごすのにうってつけだった。
(了)