5:OH!マイ足!

靴を買うということを、僕は
軽く見積もっていたようだ。

ただ、チョイト靴を選んで
買うだけだと思っていたのだ。

ところが、である。
歩くのに適した靴を探すうちに、
僕はとんだディープゾーンへと
迷い込んでしまったのだ!

きっかけは、一つの疑問だった。

「結局、歩くのにいい靴って何だ?」

先日出向いたABCマートでは、
靴の種類は豊富に並んでいたものの、
「靴を選ぶ基準」
が、わからないままだった。

そこで、さらにインターネットで
情報を集めてみるうち
アシックスが運営している
ウォーキングシューズ専門店
歩人館
というのを見つけたのである。

そこに行けば、靴を選ぶ基準が
わかるかもしれない!
ということで、早速出かけてみた。

「ウォーキングシューズを
探しているのですが」

と声をかけると、店員さんは頷いて
「これに履き替えてください」
と、白い足袋のような、うすい靴下を
差し出した。

「足のサイズを測定しましょう」

そして、店員さんに手招きされるまま
体重計のような台に乗っかり
身体の向きを変えたり、
片足ずつかかとを上げたりすること
約5分。

店員さんが一枚の紙を持ってやってきた。

「これがお客様の足のサイズです」


これが測定結果だ!



230ミリ・・・

・・・23センチ!?

俺の足、なんか小さくない!?

しかも右が6ミリでかい!

おおお・・・。マイ足よ。
お前は今までそんな秘密を隠していたのか!
一言で言えば、ショックである。

23センチといえば、男性ではけっこう
ミニマムな方に入る。
僕は、自分のことをミスター平均値だと
思っていたが、実は、ちがったようだ。

「これくらい足の小さい人っているんですか?」

僕は店員さんに聞いてみる。

「そうですねー。けっこういらっしゃいます。
そういう方は、女性向けの小さなサイズの靴で
男性でも履けるようなデザインのものを
履いていらっしゃいますね。
男性用だと、どうしても、サイズが24センチから
という場合が多いんです」

なるほどなるほど。
ちなみに僕は、今まで自分を
ミスター平均値だと思い込んでいたせいで、
靴が25センチなのですが。

「それは大きすぎます」

がーん!!!

続いて、店員さんに
『歩くのに良い靴』
の条件を聞く。

基本的に、足にぴったりとして、
靴の中で足が動かないこと。

足が動いてしまうと、ウォーキングが逆に
身体への負担になってしまいます。

そしてつまさきに指一本分の余裕
あるくらいのサイズが理想です。

お客様の場合、右のほうが大きいですから
右に合わせてサイズを選ぶことになります。
その場合、左の足が中で遊ばないように
しっかり締められる紐靴タイプがいいですね。

なるほどー。
足にピッタリの靴、ということは
僕の場合、23センチから23.5センチ!?
今まで、考えもしなかったサイズだ。
想定外の事態である。

たとえて言うなら、ある日突然

「今まで黙っていたが
お前には他に兄弟がいるのだ」

と親に告げられたときのような、
ショックな感じ、である。
(経験したことはない)

そうか・・・足のサイズ的に
女性用の靴も視野に入ってくるのか・・・

こうして僕は、靴選びの
ディープ・ゾーンに入り込んで
いったのである!!

(つづく)