28 過去 vol.1
あの人のしあわせを
本気で願った。
あの人の望む世界を
本気で願った。
でもそこにわたしはいなかった。
あるいは
いたくなかった。
そこにわたしがいなくても、
思いが本当なら
それは正しいことだと思った。
わたしはわたしで
自分のしあわせが満たされる世界を望んだ。
だから
最後の仕上げは自分ひとりでやってね。
わたしはわたしのしたいことがあるから、
じゃあさようなら
Good Luck!
といって別れるのが好きだった。
あるいは
他人のしあわせを手伝うことでしか
自分の存在を認められなかった。
過去とは、そばにあるものなのだろうか。
遠い過去、というと
それは美しい言葉のように聞こえる。
正確には、
過去について書いてみたいという気持ちが
そばにあった。
そこんところ、
ちゃんと汲んで頂戴ね。