12 カラダとココロ2
しゃるには多分二つのココロがあった。
ありのままを愛されたい気持ちと
期待に応えられないのが悔しい気持ち。
しゃるの両親は特におかあさんは
しゃるが男の子に生まれなかったおかげで
大変に辛い思いをした。
だから、しゃるは自分が不遇であっても
おかあさんを責められなかった。
だけど、無いものは求めないでという
悲痛な叫びもあった。
ありのままを受け入れてほしいという
気持ちがあっても
男らしく振舞えた時は平穏に過ごせた。
女の子らしくしたがるときは
折檻を受けたけれど
本当にごくまれに
女の子なら誰でもほしがるような
可愛くてきれいなものを与えられたので
完全に男の子になりきることが
出来なかった。