第4回:やぶ → 矢透  2009/11/09

旅に出ている間にお返事が遅くなってしまい、
すっかり秋ですね。

待たせた側が言うのも申し訳ないですが、
これくらいのペースでメールをやりとりするのも、
ものを考えたり深めたりするときにはいいのではないか、
なんて都合のいいことを思っております。


その考えでいくと、
読書の良いところは、いろんな教えと
雑多に関係を取り結べる、というところでは
ないかと思いました。
(信仰とちがって、対象と「一対一」ではないから)


雑多な関係を取り結べる、
教えられて僕も気づきましたが
たしかに読書のすてきなところですよね。

神にこだわって恐縮ですが、
多神教のようなものだと思います。

必要に応じて、あるときはこの小説を、
またあるときはこの実用書をあるときは雑誌を、
いろんな関係を結ぶ中で世界の豊かさを
味わえる・・・そういう読書が理想ですね。


僕は・・・ケータイ小説とか、
ちょっと焼き払ってみたいですけど。


あはは・・・焼き払いたいお気持ち、
わからないでもないです。
あらすじ(がほぼ本文みたいなものですが)を聞くと、
なんじゃこりゃーと思いますよね。

でもいわゆるケータイ小説ブームの中で、
僕はあれだけ多くの女の子たちが、シンプルで
力強い物語を求めていたことに驚きました。

これだけ映画、テレビドラマ、小説、
コミック、音楽といろいろな物語メディアがあるのに、
それではもの足りず、ケータイ上の連載、そして
活字で出版されたケータイ小説に群がった女の子たち。

彼女たちはそれほど物語に飢えていた、彼女たちの
生きている場所はそれほど物語に乏しかった、
これを忘れてはいけないと思います。

僕が一番関心があるのは、
ケータイ小説が全然売れなくなってきた中で
彼女たちはどこへ行ったのだろう、
何をしているのだろう、ということです。

別の何かを手に入れたのならいいのですが、
もしまだ街かどでさまよっているなら、
必要な物語や情報を送ってあげたい
出版人の根本的な願いです。

長くなってしまったので、
「悪書」についてはまたこんど。

(次は、矢透→やぶさんです)




やぶ
編集者をめざして中くらいの出版社に入るも
なぜかスーツを着る営業部隊に。
それはそれで居心地がよくて、はや数年。

「お客さんのほしがるものをすっと出す」
がモットーですが、時にははずして怒られたり。

やぶさんの参加するブログ: ブックブックこんにちは

矢透
ヤトミックカフェ店主。
「趣味は読書」とは決して言えません