2007/1/3 WED
年末年始の休みも今日までなのである。
早い早い。
休みはいつもすぐ終わるが、平日はなかなか終わらない。
とは、かの有名なアリストテレスの言葉である。
そんな気がした。
なぜだかわからないが、
急にとある喫茶店のカレーが食べたくなり、
銀座へ出かける。
伊達男憧れのザーギン。
戸越銀座でも、練馬銀座でもない
モノホンのザーギンは東京都の中央区にあるのだ。
よく憶えておくのだよ。
と、業界人が優しく新人アイドルに
親切という名のお節介焼きを両面しっかりこんがりと
焼いているふうに、吹く風に言い聞かせてしっかり
頭のおかしい人になりきっていると、
目的の喫茶店は年始のお休み中だった。
僕はいっきにギャフンとなり、奈落の底へ転落。
その喫茶店は平日しか営業していないので、
土日しか休みのない僕は、
どうやってカレーを食べればいいんだ？
俺はカレーが食いたい。
カレーが食いたい。
カレーが食いた
カレーが
カレー
カ
カ・・・・
この難問ばっかりは、
さすがの『銀座の母』でも解決困難だろう。
もちろんのことながら、『新橋の母』でも
『有楽町の母』でも無理だ。
そもそもそんな母たちは存在するのかどうか
という深遠な宇宙の謎はさておき、
これにて当連載、お開き。
2007/1/1 MON
２００７年が始まった。
こうしてゆるゆると、しかし確実に人生の重みは
増していく一方だ。
親戚宅へ新年の集まりに参加する。
まだまだ孫気分でいられる貴重な時間なのだが、
ここにも、
お年玉（あげるほう）
という、
現実をこちらにアラームするアイテムが潜んでいた。
しかし僕は進んでゲット。そいつをゲット。
確実にこちらの力を奪ってくるそいつをゲット。
そう、聞こえるのだ。あのコーチの声が。
まだ姿も見えてないのに、声だけ張り上げてくる
なんか声だけ異様に響いてるあの体育会系の声が。
「抱え込んでこ！！人生抱え込んでこ！」
オーエスオーエス！
僕はそんな脳内ボイスに支えられながら、
正月から隣の部屋で大騒ぎをする中国人に対し、
注意するべきか、あるいは
青龍刀
というリスクを考慮するべきか、正月から僕は
選択カード２枚を手渡されている。
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2006/12/31 SUN
大晦日だというのに何もしないで
うーとかあーとか言いながら転がっていたら
掃除機を渡されたので、
うーとかあーとか文句を言いながら一部屋
がーがーと掃除機をかけた。
掃除機の「ホコリお知らせランプ」が、
見た目メチャクチャホコリがたまっているのに
無反応だったので、
僕は掃除機に対して一気に不信感を募らせ、
「もういい！掃除なんか必要性を認めない！」
と言ったら怒られてしまった。
夕方。
商店街に買出しに行くと、
あちらもこちらも人だらけである。
いろいろと買いだめて、
最後にコーヒーの豆を買おうと思い、
コーヒー店に入った。
店の親父がウンチクを垂れてきた。
笑顔で聞いていたが、正直ウンザリ。
「うまいから。これはうまいから。」
としつこくすすめてきたコーヒーだが
まずかった。
きれそうになった。
いや、もうきれているのである。
巨大電子レンジにたまごを入れて、あの店を
吹き飛ばしてやりたい。
そして白身とか黄身とかで、何かもうわけのわからない
あれやこれやもう、とにかくもう、
どうしてくれるのよ。
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2006/12/30 SAT
ウワサによると、３０日も出勤している人が
いるとのことだが、僕は休んでいる。
年末の街へくりだす。
新宿でレイトショーを観るためだ。
ろーら！
・・・
特に意味はないの。
ときどきアタイ、現実と夢の区別が付かなくなるの・・・
コワイ！怖いわ！
大判小判を持った西條秀樹がたくさん来る！
しかも微妙に大きい！大きいわ！
実物の１・５倍くらいあると思われるわ！
寺内貫太郎もタジタジだと推定されるほどよ！
契約書を携えて、松坂に続かんと大陸へ渡る気よ！
これ以上何を望むと言うの？
畑違うから！畑が！
レ軍って略すのはやめて！レ点みたいだからやめて！
どうしてソックスが紅白なの？
やめて！妙におめでたさを醸しだすのはやめて！
取り乱してなんかない！
アタイ、いつでも本気で生きてるんだからね！
近づいたら青春のやいばで叩き切ってやる！
ﾆｰ・・・
年の瀬の新宿で観たのは
「マニアの受難」
という映画で、
結成３０周年を迎えたバンド、
「ムーンライダーズ」
の軌跡を追ったドキュメンタリーである。
いやー、面白かった。
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2006/12/29 FRI
今日が仕事納めの日。
世間の多くは、昨日が仕事納めの日。
一日多く働いても、もらうお金は同じです。
むしろ低い方です。
満員電車も空いていた。
いつも乗車率２００％の電車がガラガラ。
座れる座れる。
こう隙間が多くては、痴漢も年末休業だろう。
平素は女性の駆け込み寺となっている
女性専用車両も心なしかさみしそうだ。
アタシ、助けを求められないと燃えないノ・・・
という5000系電車のため息が響きわたる年末である。
こんなゆったりとした気持ちで通勤できるのは
年末かお盆くらいだろう。
ふだんは、女性専用車両を除いた全９車両が
男性専用車両と化している地獄の出勤絵巻。
ぎゅうぎゅうに押し込まれ、
というか
自分で自分を人ごみの中へねじりこみ、
あばらを圧迫されて
「きゅう」
などと言っているのは何のためなのだ？
ちなみにこの
「きゅう」
は、あばらが圧迫されて心が折れた音である。
日本人はこういう境遇に慣れているから
きっとどこかで奴隷になっても、
うまく輸送されていくだろうという気がする。
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2006/12/27 WED
僕の仕事はいわゆるデスクワークという奴で
一日中、パソコンを前にしてマウスをクリックする
のが仕事である。
朝九時に仕事が始まる。
朝礼はない。年末もない。
あとはひたすらマウスをクリックする
のが仕事である。
目が緩慢にやられていく。
視力も落ちてしまった。マウスをクリックするせいだ。
免許の更新もどうなることかと思ったが
何とかクリアした。
マウスをクリックするのが仕事だと
目が疲れるでしょうと聞かれるが
「むしろつらいのはアゴです」
と答える。
なぜか。ガムをかむからである。
デスクワークをしていると、なぜか口寂しい気持ちに
とらわれる。あの若いときの甘酸っぱい気持ちに
少しも似ていない衝動である。
汚い大人の仲間入りをしてしまった
そんな気持ちにさせるあいつ。
片目を小粋にウインクして、俺をワルの道に
連れ出したあいつ。
そういう衝動に突き動かされてガムをかむ。
かむかむかむかむ。
さながら、
コンバン、ホームパーティー スルンダ。
ウェルカムカモン。ビッグカンゲイ ダヨ！
そんな米軍基地のスモールアメリカな光景だ。
アメリカ人はどうしていつもガムをかんでいるんだろう。
ガムジャナイヨ。スルメダヨ。
マウスをクリックする
ガムをかむ
マウスをクリックする
ガムをかむ
マウスをクリックする
ガムをかむ
という一日であった。
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2006/12/26 TUE
１２月２６日は、年末も近いというのに豪雨だ。
豪雨！雨！風！
何だかねえ、年末だというのに、変ですよ。
ねえ、ちょいとちょいと
２０３号室のお客さん、何だか変ですよ。
女将が気をもむ深夜０時である。
犯罪の匂いがしたりしなかったりするわねえ。
私これでも鼻はきくのよ。
詰まってるけど。
しかし、あらためて豪雨だ。
あまつさえ雷もだよ！
雷も落ちてるよ！
これじゃ雷雨だよ！
今日は、いつもどおり会社に出勤。
１１月に転職をしたばかりの僕である。
なかなか下っ端生活から抜けられない僕である。
だから会社の言うことには逆らえないのだ。
「３０日も出勤ですよ」
と優しく言われたら、すかさず元気よく
「やったね！」
と、ポケモンゲットだぜのポーズを取らないと
いけないという話は本当なのだろうか。
このまま一生下っ端だったら・・・
と考えると夜も眠れない。
しかし、考えてばかりもいられないので
眠ることにする。
外は雷が鳴っているのか？
あるいは総書記がおもちゃで手慰みをしているのか？
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