舎流楼灯(しゃるろっと)さんのコラム。
「そばにあるもの」から、さらに世界を広げて
どこへ、いく、のか?


21 仕事(5)

プロであることの良いところは、
プロであるという自分にすがれば
生きていけることだ。

様々なそれぞれの事情によって
共に仕事をするメンバーは変わるにしても、
プロであることにより、
自分は必ず生きられるという
力強い土台が形成される。

それは他人を必要としない、
ということではない。

他人に頼ったり助けたり、
そうやっていろいろな人との関わりが
ぐるぐると繋がって社会と交わりつつも、
プロである、ということは
他人には殺せない自分になるということだ。

怠けるということは、
ビジネス上のかかわりの誰かに
自分のライフラインを委ねることだ。

ボスが死ねば自分も死ぬのだ。

そんなのは嫌だ。

しゃると母親との確執もそこに
行き着いてしまうが
そこだけは、
生き死にの問題だけは
適当に話を合わせて居場所や利益を
得たいなどとは思わない。

恋人にならば言うかもしれない。
「あなたがいなければ生きていけない」
と。
でもその言葉を口にしたとき
その人は恋人ではなく人生の伴侶となるであろう。

そして、
社長は会社がなければ生きられない。
従業員も会社がなければ生きられない。

本当はそれが
ささやかな怠慢による幻想だとしても、
生きられる自分でいるより
多くの人は怠慢を選ぶのだ。

(つづく)